私のおさげをほどかないで!
正直今すぐどうこうなるわけない問題なのに、本当ごめんなさいっ!
そう思いながら恐る恐ることの顛末を話したら、奏芽さんが電話口で舌打ちしたのが聞こえた。
う。ごめんなさい。緊急の用件じゃないって思いましたよ、ね。
それこそホント、夕方とかにお会いした時に話すんでよかったって私も思ってます。
「……ごめんなさっ――」
しゅんとして謝ろうとしたら、その声を遮るように『ホント腹立つんだけど』って溜め息をつかれて。
私はますます申し訳ない気持ちにうなだれる。
そんな私に、『俺が怒ってる理由、凜子、絶対はき違えてんだろ』って奏芽さんが言うの。
「え?」
キョトンとして言ったら、『何でこんな大事なこと、もっと早く言わなかった? 何かあってからじゃ遅いだろーが!』って叱られて。
そのあとつぶやくように『けど、1番ムカつくのは凜子が悩んでるの、気付けなかった俺自身に、だ。ごめんな』って。
えっと……もしかして……奏芽さん、お仕事の邪魔をしたのを怒ってるわけじゃ、ない?
ここにきてやっと、そう思い至って。あまつさえ奏芽さんに謝られてしまったことに戸惑って。「あ、あの……っ」って恐る恐る声を掛けたら、まるでそれを断ち切るみたいに『で、今日は大学終わるの何時?』って話題を変えられてしまった。
確か今日は4時限までだったから……16時過ぎには終わる……はず。
そう思って「16時過ぎです」って答えたら、しばしの沈黙ののち、『この電話、凜子の番号じゃねぇけど、片山さんの?』って聞かれて。
私は奏芽さんの病院の電話、ナンバーディスプレイがついてるんだ……ってどうでもいいことに感心してしまう。
それでやや反応が遅れて、慌てて「は、はいっ」って言ったら、『じゃあちょっと片山さんにかわってもらえる?』とか。
奏芽さん、四季ちゃんに何の用だろう。
そう思いながら恐る恐ることの顛末を話したら、奏芽さんが電話口で舌打ちしたのが聞こえた。
う。ごめんなさい。緊急の用件じゃないって思いましたよ、ね。
それこそホント、夕方とかにお会いした時に話すんでよかったって私も思ってます。
「……ごめんなさっ――」
しゅんとして謝ろうとしたら、その声を遮るように『ホント腹立つんだけど』って溜め息をつかれて。
私はますます申し訳ない気持ちにうなだれる。
そんな私に、『俺が怒ってる理由、凜子、絶対はき違えてんだろ』って奏芽さんが言うの。
「え?」
キョトンとして言ったら、『何でこんな大事なこと、もっと早く言わなかった? 何かあってからじゃ遅いだろーが!』って叱られて。
そのあとつぶやくように『けど、1番ムカつくのは凜子が悩んでるの、気付けなかった俺自身に、だ。ごめんな』って。
えっと……もしかして……奏芽さん、お仕事の邪魔をしたのを怒ってるわけじゃ、ない?
ここにきてやっと、そう思い至って。あまつさえ奏芽さんに謝られてしまったことに戸惑って。「あ、あの……っ」って恐る恐る声を掛けたら、まるでそれを断ち切るみたいに『で、今日は大学終わるの何時?』って話題を変えられてしまった。
確か今日は4時限までだったから……16時過ぎには終わる……はず。
そう思って「16時過ぎです」って答えたら、しばしの沈黙ののち、『この電話、凜子の番号じゃねぇけど、片山さんの?』って聞かれて。
私は奏芽さんの病院の電話、ナンバーディスプレイがついてるんだ……ってどうでもいいことに感心してしまう。
それでやや反応が遅れて、慌てて「は、はいっ」って言ったら、『じゃあちょっと片山さんにかわってもらえる?』とか。
奏芽さん、四季ちゃんに何の用だろう。