私のおさげをほどかないで!
「あ、あのっ、でもそれ、――何かすごく申し訳ないですっ」
17時過ぎなければまだ明るいですし、きっと大丈夫。
そんなことを一生懸命言ってみたけれど、奏芽さんは『片山さんともそういう話でまとまったから異論は認めねぇよ』って聞いてくれなくて。
「でも……奏芽さんっ」
それでも言いつのろうとしたら『な、頼むから言うこと聞いてくれよ』って最後には懇願されるように言われて。
私は奏芽さんに心配を掛けたくなくて、「分かりました」って答えるしかなかったの。
奏芽さんとの通話を終えて、画面をハンカチで綺麗に拭ってから、四季ちゃんにスマホを返すと、「いい彼氏さんじゃない」ってにっこりされた。
うん、そんなことは私が1番分かってる。
見た目こそ派手で軟派男みたいに見えちゃう奏芽さんだけど、実際の彼は周りにしっかり配慮が出来てしまえるお兄さん気質の優しい人だ。
その彼に、すごくすごく心配をかけてしまっている。
そう考えると、思わず溜め息がこぼれた。
「凜子ちゃん、彼氏さんに頼まれるまでもなくそうするつもりだったけど……今日は放課後も、お迎えがあるまでずっと一緒にいようね」
言われて、私は思わず四季ちゃんを見やる。
17時過ぎなければまだ明るいですし、きっと大丈夫。
そんなことを一生懸命言ってみたけれど、奏芽さんは『片山さんともそういう話でまとまったから異論は認めねぇよ』って聞いてくれなくて。
「でも……奏芽さんっ」
それでも言いつのろうとしたら『な、頼むから言うこと聞いてくれよ』って最後には懇願されるように言われて。
私は奏芽さんに心配を掛けたくなくて、「分かりました」って答えるしかなかったの。
奏芽さんとの通話を終えて、画面をハンカチで綺麗に拭ってから、四季ちゃんにスマホを返すと、「いい彼氏さんじゃない」ってにっこりされた。
うん、そんなことは私が1番分かってる。
見た目こそ派手で軟派男みたいに見えちゃう奏芽さんだけど、実際の彼は周りにしっかり配慮が出来てしまえるお兄さん気質の優しい人だ。
その彼に、すごくすごく心配をかけてしまっている。
そう考えると、思わず溜め息がこぼれた。
「凜子ちゃん、彼氏さんに頼まれるまでもなくそうするつもりだったけど……今日は放課後も、お迎えがあるまでずっと一緒にいようね」
言われて、私は思わず四季ちゃんを見やる。