私のおさげをほどかないで!
本当は喉から手が出そうなくらい願ってもない申し出だったけれど、フルフルと首を横に振って彼を拒絶した。
「かっ、奏芽さんの車に乗ったら……真っ直ぐ大学にたどり着ける気がしないので……っ!」
言って、素早くしゃがみ込んで彼の腕をまんまとすり抜けると、私は再度捕まったりしないで済むように、くるりと向きを変えて彼を視界に収めた。
一歩、二歩と後退りながら彼から距離を取りつつ、奏芽さんの出方を窺う。
奏芽さんは心底楽しそうにニヤリと笑うと、私が下がった分以上の距離を詰めてきて。
「さすが俺が見込んだ女だな、凜子! そういうお堅いところ、正直たまんねぇわ。……けど、まぁそうだなぁ。だったら――」
そこでスマホを取り出すと、何やら操作をしてから、「タクシー呼んでやったから」って私に画面を見せてくる。
「かっ、奏芽さんの車に乗ったら……真っ直ぐ大学にたどり着ける気がしないので……っ!」
言って、素早くしゃがみ込んで彼の腕をまんまとすり抜けると、私は再度捕まったりしないで済むように、くるりと向きを変えて彼を視界に収めた。
一歩、二歩と後退りながら彼から距離を取りつつ、奏芽さんの出方を窺う。
奏芽さんは心底楽しそうにニヤリと笑うと、私が下がった分以上の距離を詰めてきて。
「さすが俺が見込んだ女だな、凜子! そういうお堅いところ、正直たまんねぇわ。……けど、まぁそうだなぁ。だったら――」
そこでスマホを取り出すと、何やら操作をしてから、「タクシー呼んでやったから」って私に画面を見せてくる。