私のおさげをほどかないで!
「前までは嬉しくて堪らなかったんだけど……ここ数ヶ月は少し寂しいかな」
ムッと小さく口をとんがらせる和音ちゃんの予想外の返答に、私は驚いて彼女の横顔を見やった。
「お姉さんのせいなんだからね?」
言われて、私はやっと悟った。
私の存在。和音ちゃんが何とも感じてないわけなかった。
「ごめんなさっ」
謝ろうとしたら「そういうの嫌い」って遮られてしまう。
「お姉さん、あの時一緒にいたお兄さんじゃなくて奏芽を選んだってことでしょう? 奏芽の方が素敵だって思ったってことでしょう?」
真剣な目で射すくめるように見つめられて、私は一瞬言葉に詰まった。
でも、すぐにハッキリと「はい」って答えてうなずいたの。
私の返答に、和音ちゃんが小さく吐息を漏らした。
「奏芽にも言われたのよ。お姉さんとのことは本気だからって。だからごめんなって」
小さなその声が震えている気がして、私は思わず和音ちゃんの顔を見た。
でも、彼女は私に顔を見せたくないみたいに窓の方を見ていて。
「奏芽が選んだのがお姉さんなら仕方ないじゃない? 私、7年かけても奏芽、振り向かせられなかったんだもん。仕方ないからお姉さんに譲ってあげる」
そこまで言って、目元をゴシゴシッと拭うと、「でも! 少しでも奏芽を悲しませたら、私、すぐ奏芽のこと、取り返すんだから! 今はまだ無理でも……10年したら私の方が絶対お姉さんより有利になるんだからね!」
音芽さんによく似た大きな目でじっと見つめられた。
和音ちゃんは本当に奏芽さんのことが大好きなんだな、って思って……。そんなに慕われている奏芽さんとお付き合いさせて頂けることをすごく光栄に思ったの。気持ち、引き締めなきゃ。
ムッと小さく口をとんがらせる和音ちゃんの予想外の返答に、私は驚いて彼女の横顔を見やった。
「お姉さんのせいなんだからね?」
言われて、私はやっと悟った。
私の存在。和音ちゃんが何とも感じてないわけなかった。
「ごめんなさっ」
謝ろうとしたら「そういうの嫌い」って遮られてしまう。
「お姉さん、あの時一緒にいたお兄さんじゃなくて奏芽を選んだってことでしょう? 奏芽の方が素敵だって思ったってことでしょう?」
真剣な目で射すくめるように見つめられて、私は一瞬言葉に詰まった。
でも、すぐにハッキリと「はい」って答えてうなずいたの。
私の返答に、和音ちゃんが小さく吐息を漏らした。
「奏芽にも言われたのよ。お姉さんとのことは本気だからって。だからごめんなって」
小さなその声が震えている気がして、私は思わず和音ちゃんの顔を見た。
でも、彼女は私に顔を見せたくないみたいに窓の方を見ていて。
「奏芽が選んだのがお姉さんなら仕方ないじゃない? 私、7年かけても奏芽、振り向かせられなかったんだもん。仕方ないからお姉さんに譲ってあげる」
そこまで言って、目元をゴシゴシッと拭うと、「でも! 少しでも奏芽を悲しませたら、私、すぐ奏芽のこと、取り返すんだから! 今はまだ無理でも……10年したら私の方が絶対お姉さんより有利になるんだからね!」
音芽さんによく似た大きな目でじっと見つめられた。
和音ちゃんは本当に奏芽さんのことが大好きなんだな、って思って……。そんなに慕われている奏芽さんとお付き合いさせて頂けることをすごく光栄に思ったの。気持ち、引き締めなきゃ。