私のおさげをほどかないで!
***
奏芽さんの家に移動して、彼が私のスマホを操作するのを、横に座って見るとはなしに眺める。
前にここへ初めて遊びに――というかお泊まりに来させて頂いたクリスマスに、Wi-Fiに繋げる設定は済んでいる。だから奏芽さんの家に入れば私のスマホは自動的にWi-Fi下に入って。
それを利用して、奏芽さんが新しいアプリを入れてくださったの。
「この紫色のピンマークのアプリを起動するだろ。このウサギアイコンが凜子な?」
画面を見ると、私がとあるサイトのアカウント画像として使用している泣きべそをかいたウサギキャラのアイコンが表示されていて。
「で、こっちが俺」
言いながら、ニヤリと不敵に笑ったキツネのアイコンを指さす奏芽さんに、思わず笑ってしまう。
「何でキツネなんですか?」
聞いたら、「自分の顔写真とかでもいけるけど……なんか顔さらすのって恥ずかしくね? って言うか……凜子だって泣き虫ウサギじゃねぇかよ。意味あり?」と、至極当然の返しをされてしまった。
「か、奏芽さんと同じ理由です……。キャラが泣き顔なのにもそんな深い理由はないですっ」
顔写真を設定している人も結構多いけれど、私はそんな大それたこと、自分には出来ないって思ってしまって。
ネット上にあるフリーイラストから、適当に自分の雰囲気に合ったのを選んだら泣きべそウサギだっただけ。
奏芽さんの家に移動して、彼が私のスマホを操作するのを、横に座って見るとはなしに眺める。
前にここへ初めて遊びに――というかお泊まりに来させて頂いたクリスマスに、Wi-Fiに繋げる設定は済んでいる。だから奏芽さんの家に入れば私のスマホは自動的にWi-Fi下に入って。
それを利用して、奏芽さんが新しいアプリを入れてくださったの。
「この紫色のピンマークのアプリを起動するだろ。このウサギアイコンが凜子な?」
画面を見ると、私がとあるサイトのアカウント画像として使用している泣きべそをかいたウサギキャラのアイコンが表示されていて。
「で、こっちが俺」
言いながら、ニヤリと不敵に笑ったキツネのアイコンを指さす奏芽さんに、思わず笑ってしまう。
「何でキツネなんですか?」
聞いたら、「自分の顔写真とかでもいけるけど……なんか顔さらすのって恥ずかしくね? って言うか……凜子だって泣き虫ウサギじゃねぇかよ。意味あり?」と、至極当然の返しをされてしまった。
「か、奏芽さんと同じ理由です……。キャラが泣き顔なのにもそんな深い理由はないですっ」
顔写真を設定している人も結構多いけれど、私はそんな大それたこと、自分には出来ないって思ってしまって。
ネット上にあるフリーイラストから、適当に自分の雰囲気に合ったのを選んだら泣きべそウサギだっただけ。