私のおさげをほどかないで!
「残念。考えてねぇんだ。俺は色々思い描いて楽しみで堪んねぇのに」
奏芽さんの言葉に、私はますます照れてしまう。
――い、色々って何ですか?
聞いてみたいけれどそんなはしたないこと、こちらから問えるはずない。
そもそも……普通に誕生日を一緒に過ごせるのが楽しみだと思ってくださっている可能性もゼロではないわけで。
そう思い至って、変なことを言わなくて良かった!って心の底から安堵したの。
「……その日はさ、俺ん家泊まりに来いよ」
それなのに――。
不意に奏芽さんに、太ももに載せていた手をギュッと掴まれて、耳元に唇を寄せられてそうささやかれた私は、とうとう我慢できずにあからさまにビクッと身体を跳ねさせてしまった。
「おとっ、」
お泊まりですか?という言葉は過剰に反応してしまったせいで、声が上ずって上手く言えなくて。
それが恥ずかしさにさらに拍車をかけて、私は思わずうつむいた。
お泊まり自体はクリスマスに経験済みで、初めてじゃないはずなのに……。
前回は奏芽さんにとってのボーダーだった、二十歳を越えていなかったから何も起こらなかったわけで。
で、でも今回はっ。
「凜子、意識しすぎ……」
ややして、青信号で発信すると同時にポツンとつぶやかれた奏芽さんの声も、どこか照れを含んで響いた。
奏芽さんの言葉に、私はますます照れてしまう。
――い、色々って何ですか?
聞いてみたいけれどそんなはしたないこと、こちらから問えるはずない。
そもそも……普通に誕生日を一緒に過ごせるのが楽しみだと思ってくださっている可能性もゼロではないわけで。
そう思い至って、変なことを言わなくて良かった!って心の底から安堵したの。
「……その日はさ、俺ん家泊まりに来いよ」
それなのに――。
不意に奏芽さんに、太ももに載せていた手をギュッと掴まれて、耳元に唇を寄せられてそうささやかれた私は、とうとう我慢できずにあからさまにビクッと身体を跳ねさせてしまった。
「おとっ、」
お泊まりですか?という言葉は過剰に反応してしまったせいで、声が上ずって上手く言えなくて。
それが恥ずかしさにさらに拍車をかけて、私は思わずうつむいた。
お泊まり自体はクリスマスに経験済みで、初めてじゃないはずなのに……。
前回は奏芽さんにとってのボーダーだった、二十歳を越えていなかったから何も起こらなかったわけで。
で、でも今回はっ。
「凜子、意識しすぎ……」
ややして、青信号で発信すると同時にポツンとつぶやかれた奏芽さんの声も、どこか照れを含んで響いた。