私のおさげをほどかないで!
***
車に乗り込むと、俺はスマホの画面を睨んでからエンジンをかける。
画面上には俺のキツネアイコンと、バツ印で消された状態の「泣きべそウサギ」。
バツ印横には、泣きべそウサギを見失ってから何分経過したのかが表示されている。
そこの数字がかさめばかさむほど、俺の不安もいや増していくんだ。
ただの充電切れなんかで電源が落ちただけならいい。
それはそれで安心できる。
でも、大学にも来ていないと言うことはその可能性は極めて低そうで。
「凜子……」
無意識に名前を呼んで、それに返事がないことに胸の奥がズキン、と痛む。
つい先日、彼女を助手席に乗せて大学まで送ったのを思い出して思わず舌打ちが漏れた。
なんで俺は毎日彼女を送ってやれないんだろう!?
考えても仕方ないことを思って後悔していても埒があかない。
役立たずのそのアプリを立ち上げたまま、俺は凜子のアパート方面へ向かった。
少なくとも凜子は今朝、アパートを出て大学へ向かったはずなんだ。
何かあったとすれば、その通学途中。通り道には、凜子のバイト先もある。
現時点で一番怪しいのは――。
車に乗り込むと、俺はスマホの画面を睨んでからエンジンをかける。
画面上には俺のキツネアイコンと、バツ印で消された状態の「泣きべそウサギ」。
バツ印横には、泣きべそウサギを見失ってから何分経過したのかが表示されている。
そこの数字がかさめばかさむほど、俺の不安もいや増していくんだ。
ただの充電切れなんかで電源が落ちただけならいい。
それはそれで安心できる。
でも、大学にも来ていないと言うことはその可能性は極めて低そうで。
「凜子……」
無意識に名前を呼んで、それに返事がないことに胸の奥がズキン、と痛む。
つい先日、彼女を助手席に乗せて大学まで送ったのを思い出して思わず舌打ちが漏れた。
なんで俺は毎日彼女を送ってやれないんだろう!?
考えても仕方ないことを思って後悔していても埒があかない。
役立たずのそのアプリを立ち上げたまま、俺は凜子のアパート方面へ向かった。
少なくとも凜子は今朝、アパートを出て大学へ向かったはずなんだ。
何かあったとすれば、その通学途中。通り道には、凜子のバイト先もある。
現時点で一番怪しいのは――。