私のおさげをほどかないで!
GPS
※凜子視点に戻ります。
「GPSってさ、スマホの電源を切った地点が表示されるって知ってた?」
私のスマホを弄ぶように見せ付けながら、男――金里明真が問うてくる。
私はその声にハッとして顔をあげた。
この家で電源が切られたんだとしたら……奏芽さんは私の元へ辿り着けると言うこと?
一瞬そう思って希望を抱きかけたけれど、それを知っていながらこの男がそんなバカなことを許すはずがないとすぐに気づいて。
「さて、ここで問題です。これは何でしょう?」
ニヤリと笑顔を向けられて、私はその表情のいやらしさに寒気を覚える。
男が部屋の入り口の扉を開けたままそこに立って話しているから、廊下からの冷気が部屋に入ってきているのかも知れない。
でも、それだけではない心理的な悪寒の方が強い気がする。
嬉しそうに見せられたのは、私のバイト先のコンビニのロゴが入ったレジ袋。
今はレジ袋も有料化しているから、それを持っていると言うことはわざわざ買ったんだろう。
そうまでして、そこに行ったのだと私に知らせたい理由があるとしたら――。
「凜の携帯の電源はね、セレストアで切ってきたんだ」
やはり、と思った。
私のスマホを弄ぶように見せ付けながら、男――金里明真が問うてくる。
私はその声にハッとして顔をあげた。
この家で電源が切られたんだとしたら……奏芽さんは私の元へ辿り着けると言うこと?
一瞬そう思って希望を抱きかけたけれど、それを知っていながらこの男がそんなバカなことを許すはずがないとすぐに気づいて。
「さて、ここで問題です。これは何でしょう?」
ニヤリと笑顔を向けられて、私はその表情のいやらしさに寒気を覚える。
男が部屋の入り口の扉を開けたままそこに立って話しているから、廊下からの冷気が部屋に入ってきているのかも知れない。
でも、それだけではない心理的な悪寒の方が強い気がする。
嬉しそうに見せられたのは、私のバイト先のコンビニのロゴが入ったレジ袋。
今はレジ袋も有料化しているから、それを持っていると言うことはわざわざ買ったんだろう。
そうまでして、そこに行ったのだと私に知らせたい理由があるとしたら――。
「凜の携帯の電源はね、セレストアで切ってきたんだ」
やはり、と思った。