私のおさげをほどかないで!
「わ、私、足……痛めてるので……足手まといになります。逃げきりたいなら……置いて……いくべきです」
一か八かでそう言ったのと、この部屋の扉が勢いよく開けられたのとがほぼ同時で。
「凜子っ!」
――奏芽……さん……!!
奏芽さんの顔を見た瞬間、彼の名前を呼んで、すぐにでも大好きな彼の元へ駆け寄りたい!って思った。けれど、男は頑として私を離してくれなくて。
ばかりか、声を出すなとばかりに首筋にグッとスタンガンが押し当てられる。
「どうやってここを突き止めたのかは知りませんが、凜は僕と一緒に暮らしますのでお引き取りを」
言って、男は私を引きずって奏芽さんから距離を取るように後ろへ下がる。
足枷こそ外されたものの、青黒く変色して腫れてきている足首は、床についただけで思わず息を飲んでしまうぐらいズキズキと痛くて。
脅されていて声は出せないけれど、涙目で奏芽さんを見つめる。
そうして思ったの。
どうせ今の私では走って逃げることはおろか、まともに歩くことも難しいじゃない!って。
どうせ動きが制限されているのなら、首筋に突きつけられたスタンガンの攻撃をもう1度受けて、さっきみたいに一時的に動けなくなったとしても、状況に大差ないんじゃないかしら?って。
奏芽さんの目の前でなら、たとえ意識を失ったとしても大丈夫だとすら思えて。
無茶苦茶だけど、私、それを乗り越えたら、奏芽さんの腕の中に戻れるって気がしたの。
一か八かでそう言ったのと、この部屋の扉が勢いよく開けられたのとがほぼ同時で。
「凜子っ!」
――奏芽……さん……!!
奏芽さんの顔を見た瞬間、彼の名前を呼んで、すぐにでも大好きな彼の元へ駆け寄りたい!って思った。けれど、男は頑として私を離してくれなくて。
ばかりか、声を出すなとばかりに首筋にグッとスタンガンが押し当てられる。
「どうやってここを突き止めたのかは知りませんが、凜は僕と一緒に暮らしますのでお引き取りを」
言って、男は私を引きずって奏芽さんから距離を取るように後ろへ下がる。
足枷こそ外されたものの、青黒く変色して腫れてきている足首は、床についただけで思わず息を飲んでしまうぐらいズキズキと痛くて。
脅されていて声は出せないけれど、涙目で奏芽さんを見つめる。
そうして思ったの。
どうせ今の私では走って逃げることはおろか、まともに歩くことも難しいじゃない!って。
どうせ動きが制限されているのなら、首筋に突きつけられたスタンガンの攻撃をもう1度受けて、さっきみたいに一時的に動けなくなったとしても、状況に大差ないんじゃないかしら?って。
奏芽さんの目の前でなら、たとえ意識を失ったとしても大丈夫だとすら思えて。
無茶苦茶だけど、私、それを乗り越えたら、奏芽さんの腕の中に戻れるって気がしたの。