私のおさげをほどかないで！

　両手首も転んだ際に床に強く打ちつけたみたいで、動かすとズキン！と鋭い痛みが走って。
　腫れこそそんなにはなかったけれど、捻挫みたいになっているって言われたの。
　スタンガンを握った時は緊急事態に気持ちが昂(たかぶ)っていたのかな。
　ここまでの痛みを感じなかったから、こんなに痛めているとは思っていなくて驚いてしまった。
　ぼんやりと、こんなんで勉強出来るかな？とか考えているあたり、我ながら安定の真面目ガリ勉思考で呆れてしまう。

　手も足も一応レントゲンを撮って調べたけれど、幸い骨などに異常はないとのことでホッとする。

　足首には腫れと変色で分かりづらいけれど、打撲痕の他に、足枷が擦れた際についた擦過創(さっかそう)もあって。
　消毒をされたときに結構沁みて痛かったけれど、それはすぐに治るって処置してくださった看護師さんに太鼓判を押された。

　患部にアイシングなどの処置が施されている間ずっと、奏芽さんは私のそばにいてくださったの。