私のおさげをほどかないで!
病院のベッドに横たわって手足を冷やされている間、すぐ横に座る奏芽さんがそんな風にして私を甘やかに包み込んでくれて。
私、奏芽さんがそばにいてくださる安心感にホッとしながら、それとなく尋ねてみた。
「そういえば奏芽さん。私があの家にいるってどうして分かったんですか……?」
金里明真という男に、私のスマホの電源はセレストアで切ってきたと言われた時、私は奏芽さんに見つけてもらえなくなってしまったと絶望したのだ。
でも、奏芽さんはちゃんと私を見つけて下さった。
あの時、あの家に乗り込んできた奏芽さんは、私の姿を視認して突入したわけではないように思う。
でないと私がいる部屋を探し回ったりはしなかったはずだもの。
なのに、まるで私がその家にいることだけは確信していたみたいに、名前を呼びながら私を探してくれた。
私、確かに以前、あの一軒家の住人が気になるという話は奏芽さんにしていた。でも、奏芽さんが何の確証もないのに疑わしいというだけで窓ガラスを割るような愚行を犯すとは思えなくて。
冷静になって考えてみると、不思議で堪らなかったの。
問いかけて、頬にタオルを当ててくださっている奏芽さんをじっと見上げたら、彼が私の頬から手を離す。そうして、そのままベッド上に手を伸ばして「これにな」と私が処置を受けるために脱いで布団の上に着せ掛けるようにしていたコートを持ち上げた。
コートの内側を探る奏芽さんをキョトンとして見つめていたら、奏芽さんがそこから小さなタグ状のキーホールダーみたいなものを取り出した。
私、奏芽さんがそばにいてくださる安心感にホッとしながら、それとなく尋ねてみた。
「そういえば奏芽さん。私があの家にいるってどうして分かったんですか……?」
金里明真という男に、私のスマホの電源はセレストアで切ってきたと言われた時、私は奏芽さんに見つけてもらえなくなってしまったと絶望したのだ。
でも、奏芽さんはちゃんと私を見つけて下さった。
あの時、あの家に乗り込んできた奏芽さんは、私の姿を視認して突入したわけではないように思う。
でないと私がいる部屋を探し回ったりはしなかったはずだもの。
なのに、まるで私がその家にいることだけは確信していたみたいに、名前を呼びながら私を探してくれた。
私、確かに以前、あの一軒家の住人が気になるという話は奏芽さんにしていた。でも、奏芽さんが何の確証もないのに疑わしいというだけで窓ガラスを割るような愚行を犯すとは思えなくて。
冷静になって考えてみると、不思議で堪らなかったの。
問いかけて、頬にタオルを当ててくださっている奏芽さんをじっと見上げたら、彼が私の頬から手を離す。そうして、そのままベッド上に手を伸ばして「これにな」と私が処置を受けるために脱いで布団の上に着せ掛けるようにしていたコートを持ち上げた。
コートの内側を探る奏芽さんをキョトンとして見つめていたら、奏芽さんがそこから小さなタグ状のキーホールダーみたいなものを取り出した。