私のおさげをほどかないで!
 ご褒美に関しては作っても作っても本当にすぐなくなってしまうので、今までこれを仕事の合間にやっていらした皆さんのバイタリティに、私自身驚かされたの。
 もちろん手が回らなくてストックを切らしてしまうことは割とよくあったみたいで……そういう時には出入りの業者さん――製薬会社さんなどが商品のおまけで配ってくださるシールなどでお茶を濁すことも割とよくあったみたい。

 それがなくなっただけでもすごいことなんだぞ?って奏芽さんが私に自信とやる気をくれる。

 今はそんな感じで雑事が主になっているけれど、隙間隙間で医療事務に関することも、今は現役を退かれている奏芽さんのお母様がお茶がてら遊びにいらして教えてくださってて。

 前に四季(しき)ちゃんに、通信講座で学びたいことがあるって話したことがあるのだけれど……私が取りたかったのは正にその医療事務の講座だったから。

 今、こんな形で現場の皆さんに混ざって――お手当までいただきながら!――学ばせて頂ける機会が出来たことを私、心の底から嬉しいって思ってるの。

 いつかこの経験が、奏芽さんの横に居続けるための糧になればいいな、って。
< 291 / 632 >

この作品をシェア

pagetop