私のおさげをほどかないで!
託された重み
※奏芽視点です。
【side:Kaname Torikai】
居間で観るとはなしにテレビを観ながら、意識は台所の母子の会話に集中していた。
凜子が母親とどんな話をするのか、また母親が彼女に何を言うのか、そういうのが気にならなかったと言ったら嘘になる。
だが、この時の俺はそれより何より凜子がたったひとりの肉親に見せる、俺へ見せる顔とは違った一面を見逃したくなかったんだ。
と、凜子が母親からお使いを頼まれている声が聞こえてきて。
凜子がにこやかにそれに応じたのが分かった。
――凜子、ひとりで買い物行けるのか?
場所が事件のあった現場と離れている生まれ故郷だから、あるいは大丈夫なんだろうか?
ふとそう思ったけれど、もしそうでなかったらマズイ。
杞憂だったらその時だと思って、玄関に向かった凜子を追った。
居間で観るとはなしにテレビを観ながら、意識は台所の母子の会話に集中していた。
凜子が母親とどんな話をするのか、また母親が彼女に何を言うのか、そういうのが気にならなかったと言ったら嘘になる。
だが、この時の俺はそれより何より凜子がたったひとりの肉親に見せる、俺へ見せる顔とは違った一面を見逃したくなかったんだ。
と、凜子が母親からお使いを頼まれている声が聞こえてきて。
凜子がにこやかにそれに応じたのが分かった。
――凜子、ひとりで買い物行けるのか?
場所が事件のあった現場と離れている生まれ故郷だから、あるいは大丈夫なんだろうか?
ふとそう思ったけれど、もしそうでなかったらマズイ。
杞憂だったらその時だと思って、玄関に向かった凜子を追った。