私のおさげをほどかないで!
何が「あった」とも「なかった」とも告げはしなかった。
けれど、きっとこの人には分かってるはずだ。
凜子自身が言わないから無理に聞こうとしないだけで、何か良くないことが娘の身に起こって――。
だから今回こんな形で、俺がここに来たんだってこと。
恐らく、この人は全てお見通しなんだ。
その上で、それ以上は何も聞かずに、
「凜子のこと、くれぐれもよろしくお願いします」
向井さんは俺に向かって深々と頭を下げていらした。
俺はそんな凜子のお母さんを前に、「お約束します」と告げながら、託されたものの重みをひしひしと感じずにはいられなかった。
俺の大事な凜子は、向井さんにとってもかけがえのない存在なんだ。
当たり前だけど、それを痛感させられた。
それだけでも、俺はここへ来た甲斐があったんじゃないだろうか。
けれど、きっとこの人には分かってるはずだ。
凜子自身が言わないから無理に聞こうとしないだけで、何か良くないことが娘の身に起こって――。
だから今回こんな形で、俺がここに来たんだってこと。
恐らく、この人は全てお見通しなんだ。
その上で、それ以上は何も聞かずに、
「凜子のこと、くれぐれもよろしくお願いします」
向井さんは俺に向かって深々と頭を下げていらした。
俺はそんな凜子のお母さんを前に、「お約束します」と告げながら、託されたものの重みをひしひしと感じずにはいられなかった。
俺の大事な凜子は、向井さんにとってもかけがえのない存在なんだ。
当たり前だけど、それを痛感させられた。
それだけでも、俺はここへ来た甲斐があったんじゃないだろうか。