私のおさげをほどかないで!
そんな私の横。
奏芽さんが何ら気遅れした様子もなくベルボーイの方から荷物を受け取って二言三言交わしているのが見える。
奏芽さんはベルボーイさんが「ではごゆっくり」という言葉を残して去っていくのを合図にしたように荷物を手に一旦部屋の奥に消えて。
すぐさま私のそばへ戻っていらした。
そうして未だ入り口付近に突っ立ったまま一向に動こうとしない私を見て、きょとんとなさるの。
「――凜子?」
目の前で奏芽さんにひらひらと手を振られてやっと。
私、金縛りが解けたように動けるようになった。
「か、奏芽さん、ここ……」
つぶやいて奏芽さんを見つめたら、ニヤリとされた。
「待ちに待った凜子の二十歳の誕生日だって思ったら、舞い上がり過ぎちまったわ」
その悪戯っぽい笑顔に、こんな凄いお部屋を選んだのは舞い上がっての所業なんかじゃなく、普通に確信犯だよね?と思いましたよ?
奏芽さんが何ら気遅れした様子もなくベルボーイの方から荷物を受け取って二言三言交わしているのが見える。
奏芽さんはベルボーイさんが「ではごゆっくり」という言葉を残して去っていくのを合図にしたように荷物を手に一旦部屋の奥に消えて。
すぐさま私のそばへ戻っていらした。
そうして未だ入り口付近に突っ立ったまま一向に動こうとしない私を見て、きょとんとなさるの。
「――凜子?」
目の前で奏芽さんにひらひらと手を振られてやっと。
私、金縛りが解けたように動けるようになった。
「か、奏芽さん、ここ……」
つぶやいて奏芽さんを見つめたら、ニヤリとされた。
「待ちに待った凜子の二十歳の誕生日だって思ったら、舞い上がり過ぎちまったわ」
その悪戯っぽい笑顔に、こんな凄いお部屋を選んだのは舞い上がっての所業なんかじゃなく、普通に確信犯だよね?と思いましたよ?