私のおさげをほどかないで!
***
「な、凜子、髪、ほどいても構わねぇ?」
ギュッと私を抱きしめたまま。
奏芽さんがさっきからずっともてあそんでいたおさげの毛先をヒョイとつまみ上げるようにして私にそう問いかけてくる。
そっと窺うように、毛束を留めた髪ゴムに触れる奏芽さんを見て、いつだったか思いっきり髪の毛を引っ張られてゴムをむしり取られてしまったのを思い出す。
あの時はあんなに強引だったのに、今の奏芽さんは私の身体の隅々まで奪い尽くしたくせに……逆に細部まで私に気を遣ってくれているのが分かる。
私の嫌がること、怖がること、尊厳を踏みにじるようなことはしないって分かる。
「な、凜子、髪、ほどいても構わねぇ?」
ギュッと私を抱きしめたまま。
奏芽さんがさっきからずっともてあそんでいたおさげの毛先をヒョイとつまみ上げるようにして私にそう問いかけてくる。
そっと窺うように、毛束を留めた髪ゴムに触れる奏芽さんを見て、いつだったか思いっきり髪の毛を引っ張られてゴムをむしり取られてしまったのを思い出す。
あの時はあんなに強引だったのに、今の奏芽さんは私の身体の隅々まで奪い尽くしたくせに……逆に細部まで私に気を遣ってくれているのが分かる。
私の嫌がること、怖がること、尊厳を踏みにじるようなことはしないって分かる。