私のおさげをほどかないで!
 まるでそれを待っていたみたいや奏芽(かなめ)さんに、即座に頬を捕らえられて唇を塞がれてしまう。

「はぁ、……んっ」

 ぬるりと口蓋(こうがい)を舐め上げられる感触が、くすぐったくて気持ちいい。

 奏芽さんにキスされているんだと思うだけで、下腹部がきゅんと切なく(うず)いた。

 と、今まで指と指の間を広げるようにしてかわされていた胸の先端の(たかぶ)りを、奏芽さんが指の間隔を狭めてキュッと挟んできて。

「――あん、やっ」

 途端、思わず身体がビクッと跳ねて、私は恥ずかしさに身体を前のめりに縮こまらせた。


「焦らされた後に触れられると、もどかしかった分、すげぇ()()だろ?」

 奏芽さんが私の身体のことなんて全てお見通しみたいにそう言ってクスクス笑って。


 私はその言葉に、降参ですという意思を込めて何度も小さくうなずいてから奏芽さんを振り返った。

 そうして、涙目で懇願する。

「も、……のぼせちゃ、いそう、なの……で」

 だから、ここまでで許して欲しいです。

 そう申し上げたつもりだったのだけれど。
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