私のおさげをほどかないで!
***
「ぶっちゃけた話さ、向井ちゃん、俺が来たからって店外に逃げただろ?」
話題を変えて「あれは傷ついたわぁー」と、恨めしげにこちらを見つめる彼に、私はまたしても言葉に詰まる。
だって図星だったんだもん。
予期せぬタイミングで鳥飼さんが来たから……何だか逃げたくなったの。
「お陰様で俺、まだ何も買えてねぇのよ」
至極当然のようにさらりとそう言ってのけた鳥飼さんに、私は「え?」と思う。
「な、何でですかっ? 今日は……いつもと違って他の店員さんも可愛らしくて若い女の子ばかりだったでしょう? だから私――」
そこまで言って、自分が何を言おうとしているのか分からなくなって思わず言葉を止めた。
だから私、何?
だから私、逃げたの?
だから私、身を引いたの?
これじゃ、なんだか自分以外の人のところに並ぶ彼を見たくなくて、拗ねて逃げ出したみたいに聞こえるじゃない。
だ、断じてそう言うわけじゃないからっ!
「ぶっちゃけた話さ、向井ちゃん、俺が来たからって店外に逃げただろ?」
話題を変えて「あれは傷ついたわぁー」と、恨めしげにこちらを見つめる彼に、私はまたしても言葉に詰まる。
だって図星だったんだもん。
予期せぬタイミングで鳥飼さんが来たから……何だか逃げたくなったの。
「お陰様で俺、まだ何も買えてねぇのよ」
至極当然のようにさらりとそう言ってのけた鳥飼さんに、私は「え?」と思う。
「な、何でですかっ? 今日は……いつもと違って他の店員さんも可愛らしくて若い女の子ばかりだったでしょう? だから私――」
そこまで言って、自分が何を言おうとしているのか分からなくなって思わず言葉を止めた。
だから私、何?
だから私、逃げたの?
だから私、身を引いたの?
これじゃ、なんだか自分以外の人のところに並ぶ彼を見たくなくて、拗ねて逃げ出したみたいに聞こえるじゃない。
だ、断じてそう言うわけじゃないからっ!