私のおさげをほどかないで!
 そう思った途端、ジュン……と下腹部が(うず)いて、トロリと溢れ出した蜜が内腿(うちもも)におられる奏芽(かなめ)さんにもねっとりと絡み付く。

 奏芽さんが腰を動かすたび、湯船の中のお湯が揺れて跳ねるのと、私の下肢から流れ出す愛液とで、濡れた音がお風呂場に響いて。

 そこに2人の情欲に染まった吐息が微かに混ざるの。

 奏芽さんの熱にこすられて、私の気持ちいいところも固く張り詰め、高められて。

「か、なめさんっ、私、もぅ……っ」

 私が堪え切れなくなってそう漏らしたら、奏芽さんが「俺も……っ」っておっしゃって。
 ビクッと私の身体が跳ねたのと同時、脚の間から奏芽さんが引き抜かれて、直後背中に熱いモノが飛び散ったのを感じた。

 脚に力が入らなくて崩折れそうになった私の腰をグッと支えてくださった奏芽さんが、湯船からそっと私を連れ出して、背中にお湯をかけて下さって。

 私は茫然自失の(てい)で奏芽さんに身体を洗われながら、さっき背中に感じたのは、《《奏芽さんの》》、だったのかなって思って……。
 何だか凄くホワホワとして嬉しくなった。

 男の人にそういうのを掛けられて嬉しいって思える日が来るなんて、ちょっと前までの私は思いもしなかった。

 それもこれも、きっと相手が奏芽さんだからなんだろうな。

 いつか……奏芽さんの精を私の中で受け止めることが出来て……彼との赤ちゃんをお腹に宿す日が来たなら――。今よりもっともっと幸せな気持ちになれるのかな?

 熱に浮かされた意識の中、ふんわりとそんなことを思った。
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