私のおさげをほどかないで!

「奏芽さん、お帰りなさい」


 そんな奏芽さんにギュッとしがみつきたくて私が気持ち背伸びをすると、奏芽さんは必ず身体をかがめるようにして、自分に触れやすいようにしてくれる。

 奏芽さんが動くたび、ふんわり香る柑橘系の嗅ぎ慣れた香りが、彼のそばにいるのだと実感させてくれるのが大好き。


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