私のおさげをほどかないで!
「な、何て……言いました?」

 もう一度恐る恐る問い返したら「だから、お医者さんごっこ!」って……嘘でしょう!?

「おかしいと思ったんですっ。用があって日曜だけど病院に来てるからそこまで来て、だなんて! か、奏芽(かなめ)さん、れっきとしたお医者さまなんですよ、ね? ここで連日、ちゃんと診察業務こなしてるんですよねっ?」

 ソワソワしながら奏芽さんを見つめたら「当然。毎日子供たち相手に腕を奮いまくってるぜ?」とか。

「だったら……っ! お医者さんごっこなんて必要なくないですか?」

 掴まれたおさげを気持ち自分の方に手繰り寄せながら言ったら「でもさ、診察風景見せなきゃ納得してもらえねぇだろ」って。

「しっ、診察時間に読者様に見に来て頂けばいいじゃないですかっ!」

 言ったら、「見せたいのは山々なんだけどさぁー、今日は日曜で休診日なんだもん。仕方ねえだろ」とか……別に今日にこだわる必要なくないですか?

 話している間にもジリジリと奏芽さんに距離を詰められて、私はその分だけそろりそろりと後ずさる。

 そうして、とうとう。
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