私のおさげをほどかないで!
「ひゃっ!」

 私は鳥飼(とりかい)小児科医院の第2診察室に置かれた簡易ベッド(診察台)に足を取られてストンと座り込んで――というより寝そべってしまった。

凜子(りんこ)、俺、そっちの椅子での診察でも良かったのに……。え、何? 仰臥位(ぎょうがい)での診察希望だったの? いやん、エッチ!」

 クスクス笑われて、ブワッと顔が熱くなった。

「じっ、事故ですから!」

 それに私、お医者さんごっこに乗るなんて一言も言ってない。

「じゃあ、凜子さん、そこに起き上がったんで構わないので、上半身全部脱いでくださぁーい」

 すぐそばのドクター用の椅子にかけられていた聴診器を手に取ると、奏芽(かなめ)さんが近づいてくる。

 私は慌てながら「内科の聴診で上半身裸になんてなりませんから!」って、彼をキッと睨みつけた。

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