私のおさげをほどかないで!
***
男の人は定期的に出さないと、の話を一旦横へ避けるように、凜子が話題を変える。
「四季ちゃんも歳の離れた彼氏さんと付き合ってるって……前に話しましたよね?」
何だ、凜子。お前、俺に何の話をしようとしてるんだ?
ソワソワと落ち着かない様子で俺を見つめてくる凜子に、胸騒ぎを覚える。
片山さん、無垢で奥手な俺の凜子に何を吹き込んだ?
「確か……10歳差だっけ?」
凜子に緊張が伝わらないように、努めて平静を装って問いかけたら、「そう、10歳差です」と言って、またしても言いにくそうにうつむく。
凜子と片山さんが特に親しくなった要因の最たるものが、この、お互いに歳の離れた彼氏がいるということにあるというのは、俺も何となく理解している。
同年代の男と付き合うのとは、やはり少し勝手が違うところがあるんだろう。
若くて経験値が低い分、彼女らが同じような境遇の者同士で〝情報の共有〟をはかりたくなる、というのは俺も理解に難くない。
そう、難くはないんだが――。
男の人は定期的に出さないと、の話を一旦横へ避けるように、凜子が話題を変える。
「四季ちゃんも歳の離れた彼氏さんと付き合ってるって……前に話しましたよね?」
何だ、凜子。お前、俺に何の話をしようとしてるんだ?
ソワソワと落ち着かない様子で俺を見つめてくる凜子に、胸騒ぎを覚える。
片山さん、無垢で奥手な俺の凜子に何を吹き込んだ?
「確か……10歳差だっけ?」
凜子に緊張が伝わらないように、努めて平静を装って問いかけたら、「そう、10歳差です」と言って、またしても言いにくそうにうつむく。
凜子と片山さんが特に親しくなった要因の最たるものが、この、お互いに歳の離れた彼氏がいるということにあるというのは、俺も何となく理解している。
同年代の男と付き合うのとは、やはり少し勝手が違うところがあるんだろう。
若くて経験値が低い分、彼女らが同じような境遇の者同士で〝情報の共有〟をはかりたくなる、というのは俺も理解に難くない。
そう、難くはないんだが――。