私のおさげをほどかないで!
「その彼がどうしたって?」

 だから凜子(りんこ)、何でいちいちうつむいて赤くなる?
 ちょいちょい頬を染めてはうつむく凜子に、俺まで何か()()()()そうなんだけど。

「その彼……四季(しき)ちゃんと……えっと……し、()()()って」
「してるって――」
 何を?と問おうとして、俺はハッとする。

 さっき凜子が「男は定期的に出さないと」と言ったのと、今のセリフが頭ん中で繋がったからだ。

「凜子、もしかして……それって――」
「に、肉体関係の話ですっ」
 凜子に言わせたくなくて先手を打とうとしたのに、何故真っ赤な顔をしながら言うんだ。
 そう言うのは年長者の俺に任せておけばよくないか?

 思ったけれど言っちまったもんは仕方ない。

「ああ、そう……なの」

 凜子と片山さんは同級生のはずだ。だとしたら――。

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