私のおさげをほどかないで!
「でも、この状況で何もしてもらえないのは……女性扱いされていないのと同じです……っ」

 何事だろうか? 今日はやけに食い下がってくるじゃねぇか。
 そこでふと、先程食べたチョコレートに洋酒の風味がしたことを思い出した。
 いや、けど一欠片だし……まさかな。

「だからそれも何度も話してんだろ? 大人の男として未成年を抱くとか……俺の中の倫理観に反するんだよ。一応小児科医とかしてるし。――な? 分かれよ」

 自分も彼女と同年代ならば、喜んで凜子(りんこ)に手を出していたと思う。

 現に俺の初体験は大きな声じゃ言えねぇけど小5のときで、相手はひとつ年上とはいえ、やはり自分と同じ小学生の女の子だったんだ。

「でも四季(しき)ちゃんの彼氏さんは……っ」

 何だよ、またその話かよ。

 片山さんたちがどうあれ、そいつと俺とを比べないでくんね?

 そう言おうとしたら――。

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