私のおさげをほどかないで!
***

「で、何? お前も散髪か?」

 凜子(りんこ)同様、ブルネットに近い髪の毛をおさげ髪に()わえている音芽(おとめ)を見つめて問いかければ、「あー、うん。私も凜子さん絡み」と言って笑うんだ。

「は?」

 意味分かんねぇんだけど?

 思いながら音芽を見つめたら、「ほら、だって……おさげは彼女の方が似合うから……私は撤退」とか。

 確か温和(ハル)は音芽のロング(これ)、結構気に入ってなかったか?

 思って「ハルは納得してんのか?」って聞いたらふいっと視線を逸らされた。

「――オイ」

 まさか事後報告にしようってんじゃ……と言おうとして、俺はハッとして口をつぐんだ。

 それは俺も一緒か。

「ハルには何て言って出てきた?」

 聞いたら、「ちょっと用があるからって」と、これまた俺と一緒とか。

 つくづく俺たちは血の繋がった兄妹(きょうだい)なのだと実感させられた。

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