私のおさげをほどかないで!
「大学へ行くようになって……実家にいた時ほど凜ちゃんに会えなくなったでしょ? で、たまに会うたびにどんどん綺麗になっていく凜ちゃんに、僕がどれほど戸惑ったか、分かる? きみは僕のこと、兄くらいにしか見てなかったの知ってたから……だから気持ちが溢れ出してしまう前にそっちに戻らず県外で就職しようって決めたんだ」
とのぶちゃんが言う。
「なのに――。何で僕を追いかけるみたいにこっちの大学来ちゃうかな?」
――そんなことされたら諦められなくなるだろ?
のぶちゃんにじっと瞳を覗き込まれて、私はどうしたらいいか分からなくなる。
私がこっちにきたのは……大好きなのぶちゃんを追いかけて来たから。
でも――、何故だろう。
今の私はそれをのぶちゃんに伝えられない。いや、伝えたらダメだって思ってしまってる。
「……凜ちゃん」
思わずうつむいて目をそらしたら、あごに手をかけられて、上向かされる。
「……のぶ、ちゃん?」
のぶちゃんに触れられたことがないわけじゃない。
子供の頃から沢山沢山撫でてもらってるし。
でも……。
とのぶちゃんが言う。
「なのに――。何で僕を追いかけるみたいにこっちの大学来ちゃうかな?」
――そんなことされたら諦められなくなるだろ?
のぶちゃんにじっと瞳を覗き込まれて、私はどうしたらいいか分からなくなる。
私がこっちにきたのは……大好きなのぶちゃんを追いかけて来たから。
でも――、何故だろう。
今の私はそれをのぶちゃんに伝えられない。いや、伝えたらダメだって思ってしまってる。
「……凜ちゃん」
思わずうつむいて目をそらしたら、あごに手をかけられて、上向かされる。
「……のぶ、ちゃん?」
のぶちゃんに触れられたことがないわけじゃない。
子供の頃から沢山沢山撫でてもらってるし。
でも……。