私のおさげをほどかないで!
「凜子、どした?」
きょとんとしたように、フリーズした私の顔を覗き込んで「どっか調子悪いのか?」とか……全部あなたのせいですってば。
お医者さんだからかな。
いきなり手首に触れられて脈を取られて、私はぶわりと頬が熱くなる。
周りから「わぁ」っていう息を飲む声が上がったのが分かって、恥ずかしさに拍車がかかる。
「あ、あの……やめっ……」
一生懸命身じろいで手を引こうとするけれど、軽く握られているようにしか見えないそれは全然振り払えない。
「脈、早いな。何にそんな緊張してる?」
何にかなんて、分かってるくせに……。意地悪。
あまりにドキドキしすぎて、奏芽さんの声以外の喧騒が遮断されてしまうほどに彼しか感じられなくなって――。私はそのことに焦る。
ギュッと握られた手を一生懸命引っ張りながら奏芽さんを睨んでみるけれど、逆にニヤリとされた。
そればかりかグイッと手を引かれて、屈み込んだ奏芽さんに顔を覗き込まれて、
「――ほら、ちゃんと先生に言ってみ?」
とか――。
瞬間ブワッと身体が火照って、頬はおろか耳まで真っ赤になったのを痛感した。
このタイミングで“先生”って自称するとか……ずるいっ。
きょとんとしたように、フリーズした私の顔を覗き込んで「どっか調子悪いのか?」とか……全部あなたのせいですってば。
お医者さんだからかな。
いきなり手首に触れられて脈を取られて、私はぶわりと頬が熱くなる。
周りから「わぁ」っていう息を飲む声が上がったのが分かって、恥ずかしさに拍車がかかる。
「あ、あの……やめっ……」
一生懸命身じろいで手を引こうとするけれど、軽く握られているようにしか見えないそれは全然振り払えない。
「脈、早いな。何にそんな緊張してる?」
何にかなんて、分かってるくせに……。意地悪。
あまりにドキドキしすぎて、奏芽さんの声以外の喧騒が遮断されてしまうほどに彼しか感じられなくなって――。私はそのことに焦る。
ギュッと握られた手を一生懸命引っ張りながら奏芽さんを睨んでみるけれど、逆にニヤリとされた。
そればかりかグイッと手を引かれて、屈み込んだ奏芽さんに顔を覗き込まれて、
「――ほら、ちゃんと先生に言ってみ?」
とか――。
瞬間ブワッと身体が火照って、頬はおろか耳まで真っ赤になったのを痛感した。
このタイミングで“先生”って自称するとか……ずるいっ。