ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「蒼斗は象さん好きか?」

「すき!」

 人見知りをする蒼斗だが、パーソナルスペースに侵入しない、蒼さんの絶妙な距離感が心地いいのかけっこう懐いている。

 ふたりのやり取りを微笑ましく見守りながら、ベッドサイドに設置された北欧風ドレッサーをチラリと盗み見る。

 これは私のためだよね?

 いつの間にかベッドに飛び乗って、元気いっぱいジャンプしている蒼斗のフォローをしている蒼さんに目配せをする。

「ああ、それか。みちるは化粧品が多いから必要だろう」

 目で訴えた答えをスラスラ述べる蒼さんに軽く眩暈がした。

 ドレッサーの色は私の好きなグレーだし、デザインも胸がときめいてしまうほど可愛い。

 絶対に高かったよね……。

 たしかにコスメを集めるのが好きで、蒼さんの部屋にお泊まりするときはポーチいっぱいの化粧品を持っていった。

「この部屋にはウォークインクローゼットがついているから、必要な服はどんどん運び込んでいい。車は出すよ」

 必要最低限の衣類品しか持ってこなかったの、やっぱり気づいているよね。
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