ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
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 アメリカから戻ってきたばかりの蒼さんは想像以上に多忙で、同居を始めてから二週間、三人でゆっくりする時間はほとんどなかった。

 朝は私と蒼斗が起きる頃にはテーブルに朝食が並んでいて、十五分ほど一緒に食事をしたあと蒼さんは家を出て行く。

 蒼斗は食事に三十分以上かかるし、目を離すと食べ物やカトラリーを投げるので目が離せない。だから玄関までお見送りすらできていない。

 その後は戦場にいるかのような慌ただしさで身支度を整え、蒼斗を保育園に送ったあと私は電車に乗って職場へ向かう。

 夜は蒼斗を迎えたあと一緒にスーパーへ行って、帰宅後に家事をこなし、お風呂に入って寝かしつけ。

 私だけ起きて蒼さんの帰りを待っていればいいのだが、横になったら気絶したように蒼斗と一緒に寝落ちしてしまう。

 ただ本来小さな物音や光ですぐに目を覚ます体質なので、蒼さんが毎晩帰宅後に寝室に入ってきて私たちの様子を確認しているのを知っている。
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