ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
　そして彼が出て行ったあと秒で眠ってしまう。ショートスリーパーの蒼さんに対し私は睡眠が大好きで、毎日八時間以上は眠る。ただ眠りたいだけでなく体力が持たないのだ。

　そんなこんなで迎えた八月下旬の日曜日。暑さが多少和らいだので三人で小さな遊園地に来ている。

　蒼さんは担当患者の様子を見るため夕方には病院へ向かわなければいけないのだが、蒼斗も昼寝があるのでそこは問題ない。

　開園と同時になかに入り、蒼斗が楽しめそうなアトラクションを回っていく。

　メリーゴーランド、モノレール列車、迷路など、蒼斗は終始キャッキャと声を上げて笑顔を絶やさなかった。

「連れてきてくれてありがとう」

　本当にありがたいと思っていて、昨日急遽予定を立ててから今まで何度お礼を伝えたかわからない。

「一緒に暮らしてほしいと言いながら、時間を作れなくてすまなかった」

「蒼さんの仕事は理解しているつもりだよ」

「ありがとう」

　蒼さんは穏やかな表情で笑う。

　今日は蒼斗の笑顔をたくさん見たいと思っているけれど、蒼さんとの貴重な時間も大切に過ごしたい。
< 111 / 193 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop