ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています

　さすがに疲れたのか、コースター二週目を終えた蒼斗に休憩を提案するとすんなり受け入れてくれた。

　お子様ランチのあるお店で昼食を済ませ、観覧車やまだ乗っていないものを少しだけ周り、そろそろ帰ろうと蒼斗に促す。

　記念撮影場所で子供連れの女性にカメラマンを頼み、初めてのスリーショットを写真に収めることができた。

「あとで送るね」

　女性からスマートフォンを受け取って再び歩き始めると、すぐに蒼斗が立ち止まった。しかめっ面をしている。

「疲れたよね」

　まだ十四センチに満たない小さな足で地面を踏みしめているのだ。大人でも歩き疲れるのに、二歳児の疲労感は半端ないだろう。

「とうしゃん、あっこ」

　ごく自然に蒼斗が両手を広げて抱っこを求めた。

　私がいるのに蒼さんを選ぶなんて。

　前触れもなくあまりに突然で足を止めて呆然とする。しかし蒼さんは動じた様子もなく仏のような笑みを浮かべた。