ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「もしかして金森みちるさん?」

「そうです。黒崎滉雅さんですか?」

「ご名答」

 黒崎さんは愉快げに笑う。

 蒼さんに引けを取らないイケメンだ。ふたり並んだらとんでもない絵面になりそう。

「莉々沙先生とも知り合いなんだね」

「話をしたのは今が初めてです」

「ふーん?」と、興味を持っているような持っていないような、曖昧な返事をして黒崎さんは一歩こちらに近づく。

「ママ」

 蒼斗が不安を感じて私の太腿によじ登ってきた。

「そっくりだね」

 ふと落とされた言葉に心臓がビクッと跳ねる。恐る恐る黒崎さんの表情をうかがえば、先ほどと変わらず爽やかな笑みを浮かべていた。

 蒼斗の顔のパーツはほぼ蒼さん譲りだ。かろうじて口元だけ私に似ている。

 今の台詞は、そういうことだよね。黒崎さんがそう思ったのなら蒼さんも確実に自分と瓜二つだと感じているだろう。
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