ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
君たちを幸せにしたい
【六、君たちを幸せにしたい】


 三年前に交際していた期間は一ヶ月半だ。再会して一緒に暮らすようになってから同じくらいの時間を共にしているが、今回は絶対にみちると別れられないと実感している。

 日を追うごとにみちると蒼斗への愛しさが増していき、気持ちが抑えきれないところまできている。

 日付が変わる頃に帰宅して、手洗いを済ませてから忍び足で寝室に向かう。

 蒼斗は仰向けになって寝息を立て、みちるは横向きになっていた。息をしているのか疑うくらい呼吸音がせず背中にそっと手を添える。

 呼吸に合わせて身体が上下しているのが確認できて、ようやく安堵の息をついた。

 ふたりが越してきて以来、毎晩こうして寝顔を眺めている。

 気持ちがいいほどよく眠るな。

 真面目でしっかり者で周りに気を遣う彼女の性格は、精神疲労が多いのかもしれない。

 頭をそっと撫でて細くてやわらかい髪を指ですく。

「君たちを幸せにしたい。俺は死ぬまでふたりを愛し続けるよ」

 みちると蒼斗を視界に捉え、重すぎて面と向かって言えない愛を囁いた。

 心の底からそう思っている。

 部屋を出てシャワーを浴びながら、とある日の出来事を思い起こした――。
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