ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「そうだよ。ママは蒼さんが大好きだから、お話したいの。いい?」

「あおともー!」

 仲間に入れてほしいと言わんばかりに、脚に腕を巻きつけられて眉根を下げる。

「うーん。蒼斗はDVD見てようか」

「やったー!」

 切り替えが早くてとても助かる。苦笑しながらテレビをつけて、蒼斗が好むキャラクターのDVDを流した。ひとりソファに座り、真剣な眼差しを画面に送っているのを確認して蒼さんの方を向く。

 蒼さんは、私が「大好き」と本音をこぼしてから、足に根が生えたようにその場に突っ立っていた。

 そんなに驚かなくてもいいのに。わかりやすい態度を取っていたはずなんだけどなあ。

 ダイニングテーブルに向き合って座り、時間もそうないので単刀直入に伝えた。

「もうわかっていると思うけど、蒼斗は蒼さんの子だよ。今まで黙っていてごめん」

「いい、気にしていない」

 蒼さんの眼差しはすべてを包み込むような温かさがあった。
< 156 / 193 >

この作品をシェア

pagetop