ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「やっぱり最初から気づいていた?」

「蒼斗は俺の小さい頃にそっくりだからな。今度写真を見せるよ」

 そんなに似ているのなら、たとえ母子手帳を見られていなくても気づかれていたのかもしれない。

「でも問いたださなかったね」

「話せない理由が存在するなら、無理に聞き出したくはなかった」

 とても優しい理由だったと知って胸が痛くなる。

 すべてにおいて私の自分勝手な行動で振り回してしまった。

 そしてこれから話す内容によっては、嫌な気分にさせてしまうかもしれない。それでも彼にはすべてを知る権利があるので、きちんと伝えよう。

 別れを決意したのは父親の借金問題で迷惑をかけられないからだったのと、莉々沙先生との見合い話があると耳にしたから。

 妊娠が発覚して蒼さんに伝えようとしたが、子供が嫌いだと当時は勘違いしていたので、受け入れてもらえないかもしれないと不安になったから。それから私がとった選択など順を追って説明する。

 すべてを聞き終えた蒼さんは考え込むように視線を落とした。
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