ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「前のおうちでママと蒼斗のふたりだったけど、これからずーっと、新しいおうちで蒼さんと一緒に暮らしてもいい?」

「うんっ! とうしゃん、すき!」

 キャッキャと嬉しがるような満面の笑顔に胸を撫で下ろした。

 よかった。年齢的な面で助けられた部分は多いだろうけれど、すんなり受け入れてくれた。

「俺も蒼斗が大好きだよ」

 静かにやり取りを見守っていた蒼さんがソファの前に屈み、蒼斗と目線を合わせて目を弓なりに細める。

 すると蒼斗は目の前の顔を指差して「パパ?」と首を傾げる。

 ドキッとした。でも私以上に蒼さんは動揺しただろう。

 目を僅かに見開いてピシッと固まったあと、小さく息をついて「ああ」と答える。

「俺が蒼斗のパパだよ。とうしゃんでもパパでも、好きに呼ぶといい」

「えー」

 愉快げに身体を横に揺らして、どうしようかと嬉しい悩みに困っている様子だ。
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