ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「痛くないか?」

 労わる声にゆるゆると頭を横に振り、律動に合わせて吐息をこぼした。

「気持ちいい」

 本音を漏らすと蒼さんの表情が険しくなり、背中に両腕を回されて抱き起された。胸に顔を埋め、舌で撫でられてまた抗えない波が襲ってくる。

「……あっ」

 もう、おかしくなってる。

 何度目か覚えていない絶頂の余韻を引きずり思わず涙をこぼしたが、蒼さんは座ったままの体勢で続きを再開する。

 涙で視界が悪くなったなか、ベッドサイドに置かれた小さな箱が目についた。手のひらに乗るサイズのそれから視線が逸らせない。

 あれって……。

「もう限界」

 こっちはとっくに限界突破しているというのに、ようやく私を食べ尽くす決意を抱いた猛獣に押し倒された。

「みちる、愛している」

 この世に愛を告げる言葉が存在してよかった。

「みちるも蒼斗も一生手離したりしない」

 真綿で優しく包まれるような声で私の心を震わせる蒼さんが、愛おしくてたまらない。

「ずっと、一緒にいてね」

 息を切らしながら伝えると、蒼さんは満足そうに穏やかな顔で笑った。


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