一途な外科医は彼女の手を繋ぎ止めたい
お兄ちゃんは私に甘く、新居の準備のはずが私の服やバッグ、靴などをたくさん買ってくれた。
「もう大丈夫だから」と言っても「久しぶりだから」と甘やかす。
そのあとお兄ちゃんもたくさん買い込み私たちの手は荷物でたくさんになった。一度車に積み込み、また買い物に行くと両手一杯になることを繰り返す。

これを新居に運び込むと大型家具は届いていないがだいぶ生活ができそうな状況になった。

「お兄ちゃん、あとは家具さえ来れば生活出来そうだね」

「そうだな。流石に30近い男が実家に戻るわけにも行かないしな。それに医者は不規則だから家族の迷惑になるし仕方ない。由那はいつでも遊びに来ていいからな。鍵も渡しておくよ」

「いらないよ!彼女とかと鉢合わせたら困るでしょ?」

「今のところ彼女はいないから大丈夫だ。それに由那なら会っても大丈夫」

「私は嫌なの!」

お兄ちゃんったら本当に参っちゃう。
シスコンだなんて思われたら私もお兄ちゃんも婚期を逃すよ。

結局夕飯もお兄ちゃんに誘われお寿司屋さんに連れて行ってもらい大満喫の1日を過ごしてしまった。
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