一途な外科医は彼女の手を繋ぎ止めたい
10分くらいで2人は戻ってきたが相変わらずキキは元気いっぱい。
彼は少し汗ばんでいるようだがまだ体力はありそう。

「お待たせ」

私にリードを渡すがキキは彼の足元にくっついていた。

「ありがとうございました」

そういうとスポーツドリンクを彼に手渡した。

「ごめん、頂いていいのかな?俺が勝手にジョギングに連れ出しただけなのに。でもありがたいからいただきます。」

すぐにキャップを外し勢いよく飲み始めた。

キキにも持ち歩いていた水を器に入れ差し出すとやっと私の足元に戻ってきて、勢いよく飲み始めた。

「2人とも喉乾いたのね」

笑いながら2人を見てつい口に出てしまった。

「ごちそうさま。美味しかったよ。な?」

そういうと彼はキキの頭を撫でている。
キキは彼を見上げると手をペロペロと舐めていた。

「ごめんなさい、舐めちゃって」

「問題ないよ。可愛いな。君はキキっていうのか。いい名前だね。また会ったら走ろうな」

彼はまたキキの頭を撫でると手を振り颯爽と走り去っていった。

私もそろそろ帰らないと仕事に行けなくなっちゃう。
大満足のキキを連れて家路を急いだ。
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