一途な外科医は彼女の手を繋ぎ止めたい
2人が戻ってくるといつもようにベンチでドリンクを飲んでいる。
キキも足元でお水を飲んでいる。
飲み終わるといつものように芝生に寝転び休憩している。
「キキ、体力がついてきたのか走る速度が上がってきたよ」
「え?」
「前より走るのが好きになったのかもしれないな。俺は由那ちゃんに会いたいって不純な動機もあって走ってるけどキキは違うからかな」
頭をかきながら笑う冬哉さんの顔にキュンとした。
「ここに来るのもいつもキキに後押しされてきてるんです。キキが連れてきてくれなければ私は自分から動けてないんです」
「キキのおかげだな」
そういうとまたキキの頭を撫でる。
そのまま私の手を握った。
「もうこの手を離す気はない。俺と付き合って欲しい」
真剣な様子に私は正直に伝えた。
「私は冬哉さんのことが好きです。今のままの冬哉さんが好き。冬哉さんの隣に並べないって卑下しないで頑張りたい」
「今のままの由那ちゃんで十分に魅力的だよ。大好きだから、大切にする」
握りしめられた手に力がこもる。
重なっていた手が手のひらに返され、指を絡められた。
「由那ちゃん、デートしよう。友達ではなく恋人として出かけよう」
うん、と私は頷いた。
でもまだ手をつないでいたくて、離れられなくて、手を繋いだまま噴水の方も散歩しながらいろんな話をした。
プルルルルル…
冬哉さんのスマホが鳴っているようだ。
ポケットから取り出し応答している。
「はい、原島です」
電話の相手は病院からのようだ。
「あぁ。分かった。そのまま酸素と点滴。注射は河西先生からのオーダーで出てるんだな。投与しつつ胸腹部のレントゲン撮ってくれ。すぐ行く!15分で着くから」
電話を切ると私を振り返る。
「早く行ってください!」
「ごめん。また連絡するから」
そう言い残し、冬哉さんは走り出した。
あっという間に見えなくなり、こういう時のために鍛えているんだと思わされた。
キキも足元でお水を飲んでいる。
飲み終わるといつものように芝生に寝転び休憩している。
「キキ、体力がついてきたのか走る速度が上がってきたよ」
「え?」
「前より走るのが好きになったのかもしれないな。俺は由那ちゃんに会いたいって不純な動機もあって走ってるけどキキは違うからかな」
頭をかきながら笑う冬哉さんの顔にキュンとした。
「ここに来るのもいつもキキに後押しされてきてるんです。キキが連れてきてくれなければ私は自分から動けてないんです」
「キキのおかげだな」
そういうとまたキキの頭を撫でる。
そのまま私の手を握った。
「もうこの手を離す気はない。俺と付き合って欲しい」
真剣な様子に私は正直に伝えた。
「私は冬哉さんのことが好きです。今のままの冬哉さんが好き。冬哉さんの隣に並べないって卑下しないで頑張りたい」
「今のままの由那ちゃんで十分に魅力的だよ。大好きだから、大切にする」
握りしめられた手に力がこもる。
重なっていた手が手のひらに返され、指を絡められた。
「由那ちゃん、デートしよう。友達ではなく恋人として出かけよう」
うん、と私は頷いた。
でもまだ手をつないでいたくて、離れられなくて、手を繋いだまま噴水の方も散歩しながらいろんな話をした。
プルルルルル…
冬哉さんのスマホが鳴っているようだ。
ポケットから取り出し応答している。
「はい、原島です」
電話の相手は病院からのようだ。
「あぁ。分かった。そのまま酸素と点滴。注射は河西先生からのオーダーで出てるんだな。投与しつつ胸腹部のレントゲン撮ってくれ。すぐ行く!15分で着くから」
電話を切ると私を振り返る。
「早く行ってください!」
「ごめん。また連絡するから」
そう言い残し、冬哉さんは走り出した。
あっという間に見えなくなり、こういう時のために鍛えているんだと思わされた。