一途な外科医は彼女の手を繋ぎ止めたい
お兄ちゃんの時間に合わせ駐車場で待っていると10分遅れて病院から出てきた。
「ごめん、待たせたな」
「ううん。平気。焼き鳥だよね!私も久しぶりなの」
「急に食べたくなってさ。明日は休みだからゆっくり食べれるだろ。酒も飲むように車置いて行こうかな」
「今日は呼び出されない日なの?」
「そう。だから久しぶりに飲めるよ」
お兄ちゃんは嬉しそうに話していた。
私たちはタクシー乗り場へと向かい、隣の駅にある焼き鳥屋さんへ向かった。
私が前に教えてあげてからお兄ちゃんのお気に入りとなった隠れ屋的なお店。
美味しい日本酒もあってお兄ちゃんはアメリカから帰ってきてすごく気に入ってくれた。
おじさんに焼き鳥はおまかせで頼み、日本酒も最近手に入れたという面白い日本酒なるものを出してもらった。
なかなか出回らないお酒らしく、ラッキーだとさえ言われた。
私もお兄ちゃんも気分が良くなり盃を交わした。
「んん。ちょっとパンチのある辛めの酒だな。その割に香りがいいな」
「辛めだけど飲みやすいよ。甘めよりよっぽどか口当たりがいい。珍しい匂いがする。うーん」
「焼き鳥に合うんだよ。ほら食べてみな」
おじさんは焼き上がる度に皿に盛っていく。
適当なところで声をかけないとどんどん出てきてしまうから早めにオーダーを止めないといけないのがここの難しいところ。
でもどれも美味しいからストップのかけどころが難しいんだよね。
今日はお兄ちゃんがいるからダメなら回せるしいっか、と開き直る。
「そういえばお兄ちゃん、なんだか病院の人気者なんだって?今日師長さんに言われたよ。びっくりしちゃった。お兄ちゃんがモテるなんてさ」
「そうか?アメリカ帰りのドクターっていう響きにみんな惹かれて顔とか見てないんじゃない?特に声もかけられないけど」
「そうなの?みんなに狙われてるのよって言われてびっくりしたんだけど」
「そうなのかー。じゃ、そのうちモテ期が来るかな。日本に帰って彼女もいないしそろそろ見つけようかな」
そう。
お兄ちゃんはアメリカにいる時にはそこそこモテてたらしい。
アメフトしてたから身体も大きいしアメリカではポピュラーなスポーツだから女の子にもてはやされたらしい。
そんな話をしているとスマホが鳴った。
ふと見ると冬哉さんからだった。
お兄ちゃんはこういうことを気にしない人で、出たら?と言われたので応答した。
ただ、相手が冬哉さんなのでちょっとだけ緊張した声になってしまったかもしれない。
「はい」
『あ、由那?今どこ?今日早く終わったからご飯に誘おうかと思って』
「えっと…兄と焼き鳥屋さんにきてるのでごめんなさい」
『健介と?くそっ、先を越されたか。どうりで俺に押し付けて慌てて帰ったと思った。どこにいるの?』
「和楽って隣の駅にあるお店ですけど」
『和楽ね』
そういうと電話が切れた。
「どうした?」
「ん?友達がご飯に誘おうかと思ってくれたみたい。お兄ちゃんと来てるって伝えたよ」
「そうか。ククッ、俺の方が先だな」
「なんだか悪そうな顔してるよ」
「そんなことないさ。ほらもっと食べろよ。このぼんじり美味しいぞ」
私にどんどん食べさせようとするけどお兄ちゃんとは胃袋のサイズが違うんだからそんなに入らないよ。
いつものことながらお兄ちゃんにお小言をいいながら箸をすすめた。
「ごめん、待たせたな」
「ううん。平気。焼き鳥だよね!私も久しぶりなの」
「急に食べたくなってさ。明日は休みだからゆっくり食べれるだろ。酒も飲むように車置いて行こうかな」
「今日は呼び出されない日なの?」
「そう。だから久しぶりに飲めるよ」
お兄ちゃんは嬉しそうに話していた。
私たちはタクシー乗り場へと向かい、隣の駅にある焼き鳥屋さんへ向かった。
私が前に教えてあげてからお兄ちゃんのお気に入りとなった隠れ屋的なお店。
美味しい日本酒もあってお兄ちゃんはアメリカから帰ってきてすごく気に入ってくれた。
おじさんに焼き鳥はおまかせで頼み、日本酒も最近手に入れたという面白い日本酒なるものを出してもらった。
なかなか出回らないお酒らしく、ラッキーだとさえ言われた。
私もお兄ちゃんも気分が良くなり盃を交わした。
「んん。ちょっとパンチのある辛めの酒だな。その割に香りがいいな」
「辛めだけど飲みやすいよ。甘めよりよっぽどか口当たりがいい。珍しい匂いがする。うーん」
「焼き鳥に合うんだよ。ほら食べてみな」
おじさんは焼き上がる度に皿に盛っていく。
適当なところで声をかけないとどんどん出てきてしまうから早めにオーダーを止めないといけないのがここの難しいところ。
でもどれも美味しいからストップのかけどころが難しいんだよね。
今日はお兄ちゃんがいるからダメなら回せるしいっか、と開き直る。
「そういえばお兄ちゃん、なんだか病院の人気者なんだって?今日師長さんに言われたよ。びっくりしちゃった。お兄ちゃんがモテるなんてさ」
「そうか?アメリカ帰りのドクターっていう響きにみんな惹かれて顔とか見てないんじゃない?特に声もかけられないけど」
「そうなの?みんなに狙われてるのよって言われてびっくりしたんだけど」
「そうなのかー。じゃ、そのうちモテ期が来るかな。日本に帰って彼女もいないしそろそろ見つけようかな」
そう。
お兄ちゃんはアメリカにいる時にはそこそこモテてたらしい。
アメフトしてたから身体も大きいしアメリカではポピュラーなスポーツだから女の子にもてはやされたらしい。
そんな話をしているとスマホが鳴った。
ふと見ると冬哉さんからだった。
お兄ちゃんはこういうことを気にしない人で、出たら?と言われたので応答した。
ただ、相手が冬哉さんなのでちょっとだけ緊張した声になってしまったかもしれない。
「はい」
『あ、由那?今どこ?今日早く終わったからご飯に誘おうかと思って』
「えっと…兄と焼き鳥屋さんにきてるのでごめんなさい」
『健介と?くそっ、先を越されたか。どうりで俺に押し付けて慌てて帰ったと思った。どこにいるの?』
「和楽って隣の駅にあるお店ですけど」
『和楽ね』
そういうと電話が切れた。
「どうした?」
「ん?友達がご飯に誘おうかと思ってくれたみたい。お兄ちゃんと来てるって伝えたよ」
「そうか。ククッ、俺の方が先だな」
「なんだか悪そうな顔してるよ」
「そんなことないさ。ほらもっと食べろよ。このぼんじり美味しいぞ」
私にどんどん食べさせようとするけどお兄ちゃんとは胃袋のサイズが違うんだからそんなに入らないよ。
いつものことながらお兄ちゃんにお小言をいいながら箸をすすめた。