一途な外科医は彼女の手を繋ぎ止めたい
タクシーに乗るとお兄ちゃんのマンションへ向かう。
預かっている鍵で玄関を開け、冬哉さんの肩に担がれたお兄ちゃんを連れベッドルームへ向かった。
衣服を緩め、靴下を脱がせる。
冷蔵庫の水をベッドサイドに置き一息ついた。
キッチンに溜まった洗い物をささっと片付け、散らかった雑誌を整え、洗濯物を拾い集め洗面所は持っていった。
「手際がいいんだな」
「あ、ごめんなさい。気になって」
「いや。あまりの手際の良さに見惚れていたよ」
そんなことを言われるなんて思ってもみなかった。
世帯染みてるといわれるのかと思ったが彼の言葉を聞いて恥ずかしくなった。
「ごめんなさい。さ、帰りましょう」
また私の合鍵で戸締りを行いマンションを後にした。
タクシーは帰してしまったので2人で並んで駅に向かう。
駅まで15分の道のり。
冬哉さんに指を絡まれ、ドキドキした。
あの日病院から呼び出されて以来メッセージのやり取りばかりで会えていなかった。
だから付き合うといってもまだ正直なところ実感はなくなってしまっていた。
だから今こうして指を絡め合いながら手を繋いて歩いていることが夢心地だった。
いつものように取り留めのない話をしたくても緊張して話ができない。
「このままうちに来ない?」
「え?」
「やっと会えたんだ。このまま駅でこの手を離すことはできそうにない」
彼のストレートな言葉に驚いた。
「由那の嫌がることはしないと誓うよ」
私は彼の誠実な言葉に頷いた。
小さな声で「やった!」と聞こえた。
「ごめん、ちょっと緊張してたからさ。でももっといられるって分かって嬉しいよ」
彼はぎゅっと手をにぎりしめた。
彼の家は私と同じ駅にある駅前のタワーマンションだった。雨に濡れることなく電車に乗ることもできるし、商業施設も入っておりとても便利で億ションと言われていた。
そんなマンションに住んでいるとは思わなかったのでとても驚いた。
でもさらに驚いたのはエレベーターがぐんぐんと登っていくことだった。
18階までノンストップだった、ということは最上階?
エレベーターが開くとドアが5つしかみえない。
「こっち。ここだよ」
そういうと鍵をかざしドアを開けてくれる。
「すごい」
「そうだね。でも俺の力で買ったものではない。親に借りてるんだ。家賃も払ってるよ」
「でもこんな景色を堪能できるなんて羨ましいです」
「いつでも見にきたらいい。俺の鍵預けていい?健介の鍵を持ってて、俺の鍵がないって妬けるよ。健介の鍵を開けて部屋の中を動いてる姿を見て悔しかった。俺も由那ともっと距離を縮めたい」
そう話すと後ろから抱きしめられた。
驚いて身体を固くすると、耳元で「緊張してる?」と言われる。
私は頷くと「そんな由那も可愛いね」と余裕の答えが返ってきた。
「でも、俺だって緊張してるよ」と冬哉さんにささやかれ、ドキッとした。
大人で余裕があるとばかり思っていたけど、冬哉さんにもこんな一面があったなんて。
私と同じで緊張してるんだと思うとちょっと緊張が緩んだ。
「冬哉さん、大好きです」
私は冬哉さんの温もりを背中に感じながら想いを伝えると背中からビクッとするのが分かった。
「由那、俺も大好きだよ。俺をこんな気持ちにさせるのは君だけだよ」
そういうと私を振り向かせ、そのまま唇を重ねた。
冬哉さんの唇が初めて触れ、角度を変えながら私の唇を確認する。
徐々に冬哉さんの唇が離れることを寂しく思い、彼の服をぎゅっと掴んだ。
「口開けて」
冬哉さんに囁かれ、私は素直に少しだけ口を開いた。
すると冬哉さんの舌が私の中に入り込んできた。
ビクッとしてしまうが、冬哉さんは逃さないと言わんばかりで私の頭を支えてきた。
あぁ…ん
口の中をさぐられ、舌を絡ませてくる。
こんなキスしたことない……。
私は未知の世界に不安を感じながらも冬哉さんから離れられず、ぎゅっと服を掴んだままだった。
冬哉さんの舌は柔らかくて、私の口の中をさぐられると変な声が出てしまう。
「由那、由那……」
キスの合間で私の名前を呼び、ソファにもつれ込むように倒れ込んだ。
首筋や耳の後ろ、少し開いた胸元近くを彼の唇や舌がなぞってくる。
その度に私はビクッとしてしまうが、彼は優しくゆっくりと触れてくれていることがわかる。
どれだけキスに没頭したのだろう。
ギュッと抱きしめられたのを終わりの合図としてキスが止まった。
「ごめん、これ以上だと止まらなくなりそう。今日は由那を怖がらせるようなことはしないって言ったのに。大丈夫?もうこれ以上はしないよ。大丈夫」
「怖くなかったです。冬哉さんが今までで1番近くに感じて、すごく嬉しかったです」
恥ずかしいけど本当のことだから、冬哉さんに
私もあなたが欲しいって伝えたかった。
「冬哉さんが好きだから、冬哉さんのそばにいたいの。もっとギュッとして。もっともっと冬哉さんのことを感じさせてください」
驚いたような表情を見せたかと思うと、また私を抱きしめ「最高に嬉しい」と言うとまたキスが始まった。
預かっている鍵で玄関を開け、冬哉さんの肩に担がれたお兄ちゃんを連れベッドルームへ向かった。
衣服を緩め、靴下を脱がせる。
冷蔵庫の水をベッドサイドに置き一息ついた。
キッチンに溜まった洗い物をささっと片付け、散らかった雑誌を整え、洗濯物を拾い集め洗面所は持っていった。
「手際がいいんだな」
「あ、ごめんなさい。気になって」
「いや。あまりの手際の良さに見惚れていたよ」
そんなことを言われるなんて思ってもみなかった。
世帯染みてるといわれるのかと思ったが彼の言葉を聞いて恥ずかしくなった。
「ごめんなさい。さ、帰りましょう」
また私の合鍵で戸締りを行いマンションを後にした。
タクシーは帰してしまったので2人で並んで駅に向かう。
駅まで15分の道のり。
冬哉さんに指を絡まれ、ドキドキした。
あの日病院から呼び出されて以来メッセージのやり取りばかりで会えていなかった。
だから付き合うといってもまだ正直なところ実感はなくなってしまっていた。
だから今こうして指を絡め合いながら手を繋いて歩いていることが夢心地だった。
いつものように取り留めのない話をしたくても緊張して話ができない。
「このままうちに来ない?」
「え?」
「やっと会えたんだ。このまま駅でこの手を離すことはできそうにない」
彼のストレートな言葉に驚いた。
「由那の嫌がることはしないと誓うよ」
私は彼の誠実な言葉に頷いた。
小さな声で「やった!」と聞こえた。
「ごめん、ちょっと緊張してたからさ。でももっといられるって分かって嬉しいよ」
彼はぎゅっと手をにぎりしめた。
彼の家は私と同じ駅にある駅前のタワーマンションだった。雨に濡れることなく電車に乗ることもできるし、商業施設も入っておりとても便利で億ションと言われていた。
そんなマンションに住んでいるとは思わなかったのでとても驚いた。
でもさらに驚いたのはエレベーターがぐんぐんと登っていくことだった。
18階までノンストップだった、ということは最上階?
エレベーターが開くとドアが5つしかみえない。
「こっち。ここだよ」
そういうと鍵をかざしドアを開けてくれる。
「すごい」
「そうだね。でも俺の力で買ったものではない。親に借りてるんだ。家賃も払ってるよ」
「でもこんな景色を堪能できるなんて羨ましいです」
「いつでも見にきたらいい。俺の鍵預けていい?健介の鍵を持ってて、俺の鍵がないって妬けるよ。健介の鍵を開けて部屋の中を動いてる姿を見て悔しかった。俺も由那ともっと距離を縮めたい」
そう話すと後ろから抱きしめられた。
驚いて身体を固くすると、耳元で「緊張してる?」と言われる。
私は頷くと「そんな由那も可愛いね」と余裕の答えが返ってきた。
「でも、俺だって緊張してるよ」と冬哉さんにささやかれ、ドキッとした。
大人で余裕があるとばかり思っていたけど、冬哉さんにもこんな一面があったなんて。
私と同じで緊張してるんだと思うとちょっと緊張が緩んだ。
「冬哉さん、大好きです」
私は冬哉さんの温もりを背中に感じながら想いを伝えると背中からビクッとするのが分かった。
「由那、俺も大好きだよ。俺をこんな気持ちにさせるのは君だけだよ」
そういうと私を振り向かせ、そのまま唇を重ねた。
冬哉さんの唇が初めて触れ、角度を変えながら私の唇を確認する。
徐々に冬哉さんの唇が離れることを寂しく思い、彼の服をぎゅっと掴んだ。
「口開けて」
冬哉さんに囁かれ、私は素直に少しだけ口を開いた。
すると冬哉さんの舌が私の中に入り込んできた。
ビクッとしてしまうが、冬哉さんは逃さないと言わんばかりで私の頭を支えてきた。
あぁ…ん
口の中をさぐられ、舌を絡ませてくる。
こんなキスしたことない……。
私は未知の世界に不安を感じながらも冬哉さんから離れられず、ぎゅっと服を掴んだままだった。
冬哉さんの舌は柔らかくて、私の口の中をさぐられると変な声が出てしまう。
「由那、由那……」
キスの合間で私の名前を呼び、ソファにもつれ込むように倒れ込んだ。
首筋や耳の後ろ、少し開いた胸元近くを彼の唇や舌がなぞってくる。
その度に私はビクッとしてしまうが、彼は優しくゆっくりと触れてくれていることがわかる。
どれだけキスに没頭したのだろう。
ギュッと抱きしめられたのを終わりの合図としてキスが止まった。
「ごめん、これ以上だと止まらなくなりそう。今日は由那を怖がらせるようなことはしないって言ったのに。大丈夫?もうこれ以上はしないよ。大丈夫」
「怖くなかったです。冬哉さんが今までで1番近くに感じて、すごく嬉しかったです」
恥ずかしいけど本当のことだから、冬哉さんに
私もあなたが欲しいって伝えたかった。
「冬哉さんが好きだから、冬哉さんのそばにいたいの。もっとギュッとして。もっともっと冬哉さんのことを感じさせてください」
驚いたような表情を見せたかと思うと、また私を抱きしめ「最高に嬉しい」と言うとまたキスが始まった。