一途な外科医は彼女の手を繋ぎ止めたい
「ねぇ、そういえば健ちゃんが日本に帰ってくるって幸子さんが言ってたわよ」
「お兄ちゃん??」
「えぇ。日本の病院で働くんですって。まだ確定じゃないみたいなんだけど本人は帰ってくる気みたいよ」
「お兄ちゃんったら何年振り?10年くらいかな。元気なのかなぁ。忙しすぎて最近返信もあんまりこないんだよね」
「健ちゃんは由那ちゃんが好きだから帰ってくるんじゃない?ほら、なんとかっていうじゃない?妹が大好きな…えぇっと…」
「……。シスコンでしょ」
「そうそう」
「あんまりいい意味じゃないよ」
「あらそうなの?でも健ちゃんは由那ちゃんが心配なのよ。由那ちゃんだって健ちゃんが好きでしょ?」
「それは好きだけど……ものには限度があるのよ。私は普通。お兄ちゃんは心配症すぎる。過保護すぎる」
そう。
お兄ちゃんは天才的に頭が良くてそこそこ顔も良くて、近所でも有名人。我が家の誉れだが、唯一の弱点というか、私に甘すぎることがたまにキズ。
こんなに優秀なのに妹のこととなるとすぐに駆けつけてくるくらいの心配症。
アメリカ留学も現地から推薦が来たのに私が日本にいることを心配しすぎて断りそうになるくらいのシスコン。
なんとかみんなで送り出したけど日に何度もメッセージが来てうるさいくらいだった。
成人してやっと頻度は減った。
というのもお兄ちゃんも研修が忙しくなってきたからだと思う。時差もあり今までほど時間が割けなくなったんだろう。
そんな心配症なお兄ちゃんがとうとう帰国か。
でもそんなお兄ちゃんのおかげで私は不良の道に進まなかったんだと思う。
もちろんおばあちゃんのサポートもあったけど、みんなからチヤホヤされるお兄ちゃんが私のことを甘やかしてくれるから私は今がある。
みんなにお兄ちゃんとの比較をされ傷つくとお兄ちゃんが自分のできないことをみんなに広めに行く。お兄ちゃんは私の凄いところをこれでもかと自慢する。
そんなお兄ちゃんに自慢されても、と思うけどお兄ちゃんからの気持ちが温かくて傷が癒されていった。
最近連絡が途切れがちだったけど帰ってきたらまた心配症が始まるかな、と思うとクスッと笑いが込み上げてきた。
「お兄ちゃん??」
「えぇ。日本の病院で働くんですって。まだ確定じゃないみたいなんだけど本人は帰ってくる気みたいよ」
「お兄ちゃんったら何年振り?10年くらいかな。元気なのかなぁ。忙しすぎて最近返信もあんまりこないんだよね」
「健ちゃんは由那ちゃんが好きだから帰ってくるんじゃない?ほら、なんとかっていうじゃない?妹が大好きな…えぇっと…」
「……。シスコンでしょ」
「そうそう」
「あんまりいい意味じゃないよ」
「あらそうなの?でも健ちゃんは由那ちゃんが心配なのよ。由那ちゃんだって健ちゃんが好きでしょ?」
「それは好きだけど……ものには限度があるのよ。私は普通。お兄ちゃんは心配症すぎる。過保護すぎる」
そう。
お兄ちゃんは天才的に頭が良くてそこそこ顔も良くて、近所でも有名人。我が家の誉れだが、唯一の弱点というか、私に甘すぎることがたまにキズ。
こんなに優秀なのに妹のこととなるとすぐに駆けつけてくるくらいの心配症。
アメリカ留学も現地から推薦が来たのに私が日本にいることを心配しすぎて断りそうになるくらいのシスコン。
なんとかみんなで送り出したけど日に何度もメッセージが来てうるさいくらいだった。
成人してやっと頻度は減った。
というのもお兄ちゃんも研修が忙しくなってきたからだと思う。時差もあり今までほど時間が割けなくなったんだろう。
そんな心配症なお兄ちゃんがとうとう帰国か。
でもそんなお兄ちゃんのおかげで私は不良の道に進まなかったんだと思う。
もちろんおばあちゃんのサポートもあったけど、みんなからチヤホヤされるお兄ちゃんが私のことを甘やかしてくれるから私は今がある。
みんなにお兄ちゃんとの比較をされ傷つくとお兄ちゃんが自分のできないことをみんなに広めに行く。お兄ちゃんは私の凄いところをこれでもかと自慢する。
そんなお兄ちゃんに自慢されても、と思うけどお兄ちゃんからの気持ちが温かくて傷が癒されていった。
最近連絡が途切れがちだったけど帰ってきたらまた心配症が始まるかな、と思うとクスッと笑いが込み上げてきた。