一途な外科医は彼女の手を繋ぎ止めたい
翌朝もいつもの公園へお散歩。
昨日の彼は見えない。
今まで見かけたことがなかったからたまたまだったのかな。
そう思いながらあれから2週間が経つ頃、彼とは会うこともなく徐々に忘れかけていった。
土曜日。
今朝も変わりなく6時に散歩へ出かけた。
キキは今日もご機嫌でいつもの公園へ向かっていった。噴水の周りで知り合いとおしゃべりをし、そろそろ家に帰ろうとするとキキがリードを引く。
今日は土曜日なのでキキにお付き合いすることにした。
時々興味あるものへと惹かれてしまうキキ。
普段は大人しい方なんだけど生まれ持った性格なのかラブラドールの血なのかふとした時にいたずらっ子になってしまう。
「キキ、何が見たいの?」
返事があるわけでもないのについ話しかけてしまう。
あれ?
ジョギングコースに向かってる?
「キキ、私走れないよ」
そう言いリードを引くが、私の方を見向きもせずにさらにジョギングコースへ向かおうとしている。
林を抜けたところでこのまま外周ルートを通り抜け、遠回りして帰ろうとしたところで先日の彼がちょうど目の前を走り抜けるところだった。
「あ……」
私の小さな声が漏れた。
すると彼に聞こえたのか振り返って私を見た。
そして足を止め私のところまで戻ってきた。
「おはよう」
「おはようございます」
「ワンちゃん、今日も走りたいのか?」
彼はそういうとキキの頭を撫でた。
するとキキは理解したかのように彼を見上げ、尻尾をグルグル回し始めた。
「また1周回ってきてもいい?」
「え?いいんですか?」
「もちろん」
彼は私からリードを受け取ると颯爽と走り出した。
また私はこの前と同じようにベンチに座り戻ってくるのを待つことにした。
3月に入りだいぶ温かくなってきてジョギングする人が増えてきたように思う。
走っている人たちをボーッと見つめているとあっという間に2人が戻ってきた。
「お帰りなさい」
そういいながらまたスポーツドリンクを渡した。
「ありがとう」
彼はキャップを開けて飲み始めた。
キキにもお水を入れてあげると飲み始める。
「毎朝散歩してるの?」
「はい。いつもは噴水の方なんですけど時々キキがこっちに来たがって。だから今日は遠回りして帰ろうと思ってたんです」
「キキは走り込みたくなるとこっちにくるのか?」
彼はキキの頭を撫でながら聞く。
キキは相変わらず彼を見つめると尻尾が凄い勢いで回り始め、この人が好きだということがよくわかる。
「キキ、また走りたくなったら俺を嗅ぎ分けて来るんだぞ。毎日は来れないけど、たまに来てるからな」
するとキキは手をペロペロ舐めていた。
「ごめんなさい。舐めちゃって」
「気にしないよ。また会えたらジョギングに付き合わせて。じゃ、また」
そういうと彼はまた颯爽と走っていった。
昨日の彼は見えない。
今まで見かけたことがなかったからたまたまだったのかな。
そう思いながらあれから2週間が経つ頃、彼とは会うこともなく徐々に忘れかけていった。
土曜日。
今朝も変わりなく6時に散歩へ出かけた。
キキは今日もご機嫌でいつもの公園へ向かっていった。噴水の周りで知り合いとおしゃべりをし、そろそろ家に帰ろうとするとキキがリードを引く。
今日は土曜日なのでキキにお付き合いすることにした。
時々興味あるものへと惹かれてしまうキキ。
普段は大人しい方なんだけど生まれ持った性格なのかラブラドールの血なのかふとした時にいたずらっ子になってしまう。
「キキ、何が見たいの?」
返事があるわけでもないのについ話しかけてしまう。
あれ?
ジョギングコースに向かってる?
「キキ、私走れないよ」
そう言いリードを引くが、私の方を見向きもせずにさらにジョギングコースへ向かおうとしている。
林を抜けたところでこのまま外周ルートを通り抜け、遠回りして帰ろうとしたところで先日の彼がちょうど目の前を走り抜けるところだった。
「あ……」
私の小さな声が漏れた。
すると彼に聞こえたのか振り返って私を見た。
そして足を止め私のところまで戻ってきた。
「おはよう」
「おはようございます」
「ワンちゃん、今日も走りたいのか?」
彼はそういうとキキの頭を撫でた。
するとキキは理解したかのように彼を見上げ、尻尾をグルグル回し始めた。
「また1周回ってきてもいい?」
「え?いいんですか?」
「もちろん」
彼は私からリードを受け取ると颯爽と走り出した。
また私はこの前と同じようにベンチに座り戻ってくるのを待つことにした。
3月に入りだいぶ温かくなってきてジョギングする人が増えてきたように思う。
走っている人たちをボーッと見つめているとあっという間に2人が戻ってきた。
「お帰りなさい」
そういいながらまたスポーツドリンクを渡した。
「ありがとう」
彼はキャップを開けて飲み始めた。
キキにもお水を入れてあげると飲み始める。
「毎朝散歩してるの?」
「はい。いつもは噴水の方なんですけど時々キキがこっちに来たがって。だから今日は遠回りして帰ろうと思ってたんです」
「キキは走り込みたくなるとこっちにくるのか?」
彼はキキの頭を撫でながら聞く。
キキは相変わらず彼を見つめると尻尾が凄い勢いで回り始め、この人が好きだということがよくわかる。
「キキ、また走りたくなったら俺を嗅ぎ分けて来るんだぞ。毎日は来れないけど、たまに来てるからな」
するとキキは手をペロペロ舐めていた。
「ごめんなさい。舐めちゃって」
「気にしないよ。また会えたらジョギングに付き合わせて。じゃ、また」
そういうと彼はまた颯爽と走っていった。