塩彼氏の愛   番外編 兄はつらいよ
俺と康之助が一足先に中学へ入り


康之助は野球をやると言って野球部に入り
俺はそのままサッカー部に。


俺はすぐにサッカー部のレギュラーになり
康之助も半年で経験者の同級生と先輩を
ごぼう抜きにし野球部のエースに君臨する。


そのくらいから、女子の態度が変わり始める。
俺らの意思とは関係なく、ファンクラブなるものが出来る。確かに、俺らは見た目が良い。


俺の両親も、康之助の両親もとにかく見た目が良い。見た目が良すぎて遠巻きにされた4人が大学で知り合い意気投合し、今の今でも無二の親友であり恋人という感じ。


たんなる遺伝だ。
両親のどちらに似ても見た目が良くなるように
なっているだけで、俺らの意思は関係ない。


なんでも卒なくこなすように見えるのも親の影響だ。顔が良いだけで何も出来ない男だと思われると、つけ込まれる。なんでも一生懸命やりなさいと幼少期から叩き込まれただけの事。


一足先に中学に入学した俺らは
花と悠之介が心配になった。


男も女も二次性徴を迎え、思春期に入った矢先に、親の言ってた事が現実になり、本当に突然周りが騒がしくなったからだ。


悠之介は無愛想な所があるけど
俺らの中で1番ポテンシャルが高いのは悠之介だし、あいつはすぐに気がつくはずだ。


だけど、中学からは3年間で俺らとは1年しか被らない。残りの2年は悠之介1人で耐えなければいけない。

ちょっと酷だが、男ならば自分の身くらい自分で守れないと話にならない。

それを見越して親達は悠之介の教育には心血を注ぐ勢いで教え込み、武道の心得も叩き込まれてきたアイツは心身共に1番強い。


なんとかなるだろう。


花はどうだろうか…
両家の親達は花が心配で、最初は男3人で花を守ろうという計画だったと思う。

がっ! 今の所はお転婆がすぎて

悠之介が霞む程のヤンチャガールだが…
花も一応空手をやっていたから
ある程度は自分の身は守れるだろうが…


両家の親達の想定外が花……


だが、


まぁ、なんとかなるだろう。


と、この頃は思っていた。
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