冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~

「あっ! 成優ちゃんママがチューしてる!」

 あどけない声にぎょっとして、とっさに至さんから体を離した。

 すると、門の前にはいつの間にやら園児や保護者の野次馬がたくさんいて、らんらんと輝く目で私たちを見つめていた。

 そ、そういえばここ、保育園の真ん前だった! しかも、ちょうどお迎えラッシュ!

「し、してません!」と両手を振って否定して、保護者たちからの好奇の視線に引きつった愛想笑いを返す。

 うう、穴があったら入りたい……。

 いたたまれずに俯いていると、至さんが小声で私に尋ねる。

「成優の父親として、あの保護者たちに挨拶したらダメ……だよな?」
「ダ、ダメに決まってるでしょう! そもそも、成優があなたの娘だと私は認めてないはずです!」
「違うなら、芽衣はさっきのキスをもっと本気で拒否したはずだ。きみの性格はよく知っている。娘を悲しませるようなことはしない」

 恋人同士だったのは昔のことなのに、私のすべてを理解しているような口ぶりに、不覚にもどきりとした。

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