冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
「はいはい。ふたりとも、なにが食べたいの?」
「なゆ、カレー!」
「じゃあ俺も、成優ちゃんと同じ」
至さんがそう言うと、成優はえへへっとうれしそうに笑う。
カレーみたいに簡単な料理じゃお礼にならないな。トンカツでも揚げて、至さんのカレーに乗せてあげようか。それに、ちょっと豪華なサラダを添えて……。
夕飯の献立を考えつつ、途中でスーパーに寄った。成優は至さんをお菓子売り場まで引っ張っていき、駄菓子を物色するのに付き合わせている。
「成優ちゃんが好きなの、どれ?」
「これ! こびとさんのホットケーキ」
「小人さん……」
成優が手にしているのは、五百円硬貨ほどの小さなホットケーキがふたつ入った駄菓子。商品名は別にあるのだが、成優はいつも小人さんのホットケーキと呼んでいる。
初めて聞いた時は『うちの子、なんてかわいい発想をするの……』と思ったが、至さんも同じように感銘を受けたような顔をしていたので笑ってしまった。