冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
必要な材料を買ってアパートに帰り、前回と同じように至さんと成優が遊んでいる間に料理をした。
成優はやっぱり至さんの隣の席をご所望で、食べながらちらちら彼を見てはうれしそうに笑っている。
至さんも成優が我が子だと知ったからか、成優の口の周りを拭いてあげたり、空になったコップに麦茶を注いであげたりと、積極的に世話を焼いていた。
「長居して悪かった。成優ちゃんに引き留められると断れなくて」
ようやく至さんが帰れることになったのは、夜九時を過ぎてから。食後も成優が彼と遊びたいと言うので、気が済むまで付き合ってくれたのだ。
私は少し至さんとふたりで話したくて、見送りついでにアパートの通路に出た。
「こちらこそ、成優がワガママばかりでごめんなさい。それと、学校側との交渉、ありがとうございました。成優を抱えて路頭に迷ったらどうしようって思っていたので、本当に助かりました」
「俺はちょっと手伝っただけで、最終的にPTA会長や学園長を納得させたのは、芽衣自身だよ。あの時のきみの言葉を聞いて、どうして俺はこの人を好きになったのか、改めてわかった気がした」
彼の瞳に、切ない色が宿る。恋人同士だった頃の空気を思い出し、胸が熱くなった。