冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
「パパ~! ママ、やっとみつけたよ!」
成優は私の反応に満足したらしく、はしゃぎながら寝室を出ていく。
パパに報告すると言うことは、やっぱりこれは彼が……?
半信半疑でジッと指輪を見つめていると、リビングダイニングの方から足音が近づいてくる。そして、成優が開けっ放しにしていたドアから至さんが顔を覗かせた。
「おはよう。指輪は気に入ってくれたか?」
「至さん、これ……」
「芽衣の想像してる意味で合ってるよ。結婚の時期はおいおい考えるにしても、とりあえずきみが予約済みの女性だって、周囲の男を牽制したいからな」
至さんは不敵に笑って、ベッドに腰かける。
結婚すると言ったってすでに子どももいるし、婚約指輪を用意してもらえるなんて思ってもみなかった。
ベッドに座ったままジーンとしていると、至さんが指輪をはめた方の手を取って、ギュッと握る。
「幸せにする。きみも成優も必ず」
「至さん……ありがとう」
至さんは私の顎をすくい、口づけをしようとする。しかし、唇が重なる寸前でぴたりと動きを止めた彼が、部屋の入り口を見てふっと苦笑する。